新卒です。「月給24万円」のはずなのに、口座には「20万円」くらいしか振り込まれていません。なぜですか?

配信日: 2025.05.15 更新日: 2025.10.21
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新卒です。「月給24万円」のはずなのに、口座には「20万円」くらいしか振り込まれていません。なぜですか?
「月給24万円のはずなのに、口座に振り込まれるのは20万円程度しかない……」と、額面と手取りの差を感じることは、社会人によくある疑問です。
 
そこでこの記事では、実際に振り込まれる額が本来の給与額よりも減っている理由を説明します。
柘植輝

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

給与から控除される項目の内訳

結論から述べてしまえば、給与明細よりも低い額で支給されるのは、各種控除がなされているからです。代表的なものでいえば、下記のようなものがあります。


・所得税
・健康保険料
・厚生年金保険料
・住民税(新卒1年目など前年度の所得がない、あるいは非課税の場合は発生しない)
・雇用保険料

また、それらに加えて会社によっては、食堂の利用費用や寮費・家賃などが天引きされている場合もあります。それによって、月給が24万円(いわゆる額面)であるところ、実際に支給される手取り額は20万円程度になる……といったことが起こりえるのです。
 
なお、控除とは異なりますが、欠勤や遅刻をしていると、その日数や時間に応じて減給されている可能性もあります。例えば日給1万円の方が1日休んだことで、給与は1万円減給されて支払われる、という具合です。
 

同意のない控除は違法ではないのか?

先の説明を見ても「それでも毎月4万円も勝手に引かれるのには同意していない、やめてほしい」と思う方もいるかもしれません。
 
確かに、賃金は全額直接支払われることが原則です。たとえ1円であっても、勝手に賃金の一部を控除することは許されません。しかし、法令で定められている一定範囲のものは、天引きが認められています。
 
例えば、所得税などの税金や、厚生年金保険料などの社会保険料が、それに該当します。また、家賃など税金や社会保険料に該当しないものでも、労使協定を結んでいる場合は認められる場合があります。
 
ただし、家賃など税金や社会保険料以外で控除されているものについては、就業規則などに根拠規定がなく、かつ、労使協定なども結ばれていない場合は違法となることもあります。この点について疑問に思ったときは、会社に天引きの根拠について確認しておくべきでしょう。
 

疑問に感じたときに確認すべき点

振り込まれる額が少ないと感じた場合、まず給与明細を確認しましょう。給与明細には原則として、総額(額面)、各種控除の内訳、手取り額が明記されています。それら項目をひとつひとつ確認し、計算間違えがないかどうか確認するのです。
 
基本的に会社側が間違えていることは考えづらいですが、可能性がないとは言い切れません。また、身に覚えのない項目でお金が差し引かれていないかも、合わせて確認しておきましょう。
 
とはいえ、一般的な会社員であれば、額面に対する手取りは75%から85%程度の範囲に収まるといわれています。額面24万円に対して手取り20万円であれば、おかしい点があるとは考えづらいでしょう。
 

まとめ

「月給24万円のはずなのに20万円程度しか振り込まれない」といったように、額面と手取り額が異なるのは、額面から社会保険料や税金などの控除がなされるためです。これらは法律で定められており、誰もが負担する必要があるので、控除されることが特段おかしいわけではありません。
 
加えて、労使協定や就業規則に規定がある場合は、家賃などが合わせて引かれていることもあるようです。
 
控除額の疑問は大抵の場合、給与明細を確認することで解決できます。その上でなお疑問点があれば、会社に早めに相談してみましょう。そうすることで、手取りと額面についての疑問は解決できるはずです。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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