友人は「年収1000万円」あるのに、貯蓄は“ほぼゼロ”とのこと。かなり稼いでるはずですが、「引かれる金額」が大きいの? 実際は貯蓄する余裕がないのでしょうか?

配信日: 2025.05.15 更新日: 2025.10.21
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友人は「年収1000万円」あるのに、貯蓄は“ほぼゼロ”とのこと。かなり稼いでるはずですが、「引かれる金額」が大きいの? 実際は貯蓄する余裕がないのでしょうか?
年収1000万円というと、多くの人が「かなり裕福な生活を送っている」と感じるでしょう。しかし、実際には年収1000万円を稼いでいるにもかかわらず、貯蓄がほとんどないという人も少なくありません。
 
本記事では、年収1000万円以上の人々の実態や、貯蓄ができない背景について、データをもとに解説します。
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年収1000万円以上の割合

国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は460万円です。また、年収が1000万円を超える人は、わずか5.5%ほどです。年収1000万円というのは、一般的にはかなり稼いでいるほうといえるでしょう。
 

年収1000万円の世帯でも貯蓄ゼロはいる

続いて、貯蓄状況を見てみましょう。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[全世帯](令和5年)」によると、対象世帯全体の金融資産保有額の平均は1184万円、中央値は230万円です。また、金融資産を全く持っていない世帯も28.4%います。
 
続いて、収入が1000~1200万円未満の世帯を見ていきます。この世帯の金融資産保有額の平均は2324万円、中央値は1200万円です。年収1000万円は年収水準としてはかなり高めのため、貯蓄額も世間的な平均よりも高いといえます。
 
ただし収入が1000万円~1200万円未満の世帯でも、金融資産を全く持っていない世帯が12.9%存在します。かなり年収水準は高いはずなのに、なぜ約1割もの世帯が貯蓄のない状態なのでしょうか?
 

年収1000万円以上でも貯蓄ができない理由とは?

年収1000万円以上ながら、貯蓄がない理由を考えてみましょう。
 

高額な税金や社会保険料

年収が高くなると、その分税金や社会保険料の負担が大きくなります。所得税は累進課税制度に基づいており、年収が上がるほど高い税率が適用されます。
 
所得税以外でも、住民税や社会保険料(健康保険、年金など)も加わるため、手取り額は思っている以上に少なくなることもあるでしょう。
 

都心での生活費が高い

一般的に、地方よりも都心のほうが年収の水準は高くなります。そのため、地方よりも都心のほうが高年収者の世帯も多いでしょう。
 
しかし、都心に住んでいて高収入の世帯では、地方よりも生活費が高くなることも少なくありません。
 
特に家賃は顕著で、住宅情報サイトSUUMOによると、2LDKの家賃相場は千代田区が28万7000円、中央区が25万4000円、品川区が22万1000円などです。
 
例えば、福岡県では同じ2LDKの家賃相場は福岡市中央区が11万9000円、福岡市博多区が9万1000円、北九州市小倉北区が7万4000円となっていますので、倍以上の水準です(いずれも2025年1月10日更新情報)。
 
ほかにも都心には数多くの学校があり、進路の選択肢も豊富です。中学校受験や私立進学となれば学費が高くなるばかりではなく、そのための塾や習い事に行くお金が高額になる場合もあるでしょう。
 
都心に限りませんが、高級な車を購入したり、高価なレストランで食事をしたり、旅行に出かけたりすることが多い家庭もあるかもしれません。
 
このように、年収1000万円稼いでいても、支出が多く貯蓄できない世帯もあるでしょう。
 

まとめ

年収1000万円というと、非常に高い収入を得ているように思えますが、実際には高い税金や生活費、教育費、そして高額な支出が家計に大きな影響を与え、貯蓄に回す余裕がない場合もあります。
 
収入が多いからと言って必ずしも貯蓄ができるわけではないという点を理解しておきましょう。
 

出典

国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[全世帯](令和5年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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