地方で世帯年収が「1000万円」を超える夫婦はどのくらいいる? 「首都圏」との差はあるのでしょうか?
そこで本記事では、年収1000万円以上の世帯状況と地方と首都圏の年収の差について紹介します。
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夫婦などを含む世帯収入の状況
東京都福祉局の「東京の子供と家庭 令和4年度東京都福祉保健基礎調査」によると、年収が「600~800万円未満」が最も多く17.9%で、次いで「800~1000万円未満」が 16.8%、「1000~1200万円未満」が 12.7%の割合となっています。
共働きの状況別にみると、共働き世帯は「800~1000 万円未満」の割合が最も高く 19.8%、共働きでない世帯は「600~800 万円未満」の割合が最も高く 21.0%です。1000万円以上の世帯は、共働き世帯が 38.5%、共働きでない世帯が 28.0%となっています。
このように、夫婦2人で働いたほうが世帯年収1000万円以上に達しやすいという結果になっています。
また、国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、年収「1000万円以上」の割合は5.5%です。ただし、こちらは子どもの有無など世帯構成については考慮されていない調査となります。
以下は、世帯年収1000万円以上の割合についての詳細です。
・1000~1500万円以下:4.0%
・1500~2000万円以下:0.9%
・2000~2500万円以下:0.3%
・2500万円以上:0.3%
男女別でみると、1000万円以上の割合は男性8.6%、女性1.4%です。女性より男性のほうが年収1000万円以上の割合が高く、学歴、年齢、勤続年数、職階、産業や企業規模などの違いによって賃金格差が生じる傾向があります。
また、同調査で最も多い給与区分は、年収「300~400万円以下」で16.3%となっており、年収1000万円以上になるには、厳しい状況であることが全体の割合から分かります。
地方と首都圏の世帯年収
次に、地方と首都圏の世帯年収について、どのくらいの差があるのか図表1でご紹介します。
図表1
| 全国平均(年収) | 396万円 |
| 東京都 | 484万円 |
| 神奈川県 | 427万円 |
| 大阪府 | 418万円 |
| 愛知県 | 399万円 |
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査結果の概況」を基に筆者作成
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査結果の概況」によると、全国の平均賃金は月33万400円で年収にすると約396万円の計算になります。
都道府県別で最も賃金が高いのは東京都の403万7000円で、年収に換算すると約484万円です。続いて、神奈川県の35万5800円で年収約427万円です。
一方、地方の状況をみると、最も賃金が高いのは大阪府で年収約418万円、次いで愛知県の年収約399万円となり、首都圏よりも地方は年収が低い傾向です。ただし、これらの数値は、個人の年収であるため、共稼ぎ世帯など世帯年収として計算した場合には、さらに年収が高くなることが予測できます。
また、東京都と大阪府の年収差は約67万円であり、年収1000万円以上を目指すには、賃金水準が高い首都圏のほうが目標を達成しやすいといえるでしょう。
地方の年収1000万円以上の世帯数
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」から、地方で年収1000万円以上の都道府県ランキングは愛知県が1位、次いで富山県、福井県となっています。この3県で2人世帯の数は、愛知県が6万1400世帯、富山県が6300世帯、福井県が4200世帯です。
地方公務員の年収
地方で年収1000万円以上を達成するケースとして、地方公務員の管理職や特定の役職があげられます。
例えば、大阪府が公表している「職員のモデル年収額」によると、年収1000万円を超える職種と役職は、課長級(50歳)、高等学校の校長(55歳)、警視所属長級(58歳)があげられています。
地方よりも首都圏のほうが年収は高い
年収1000万円以上の世帯状況は全体の5.5%の割合で、共稼ぎの夫婦のほうが世帯年収は高くなる傾向があります。また、地方と首都圏を比較すると、東京都が最も賃金が高く、地方都市の大阪府と比べると年間67万円の差が出る結果となっています。
賃金水準を考慮した場合は、地方よりも首都圏、特に東京都で働くことで、世帯年収1000万円のハードルを超えられる可能性が期待できるでしょう。
出典
東京都福祉局 東京の子供と家庭 令和4年度東京都福祉保健基礎調査
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 都道府県別
大阪府 職員のモデル年収額(令和6年4月1日現在)
総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 表番号40-2
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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