アルバイトと正社員では「時給」にどれだけの差がある? 統計データから検証
本記事では、厚生労働省の統計データや求人情報サイトの最新データをもとに、正社員とアルバイトの時給にどの程度差があるのかを解説し、正社員とアルバイトの働き方の違いについても紹介していきます。
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正社員の平均時給
厚生労働省が公表した「令和6年 賃金構造基本統計調査」によれば、一般労働者の平均賃金は月額33万400円でした。この平均月額賃金を、1ヶ月の所定労働時間を160時間(1日8時間×20日)と仮定した場合、時給は2063円となります。
ただし、この平均時給は、業種や地域、年齢、経験年数によって変動するケースもあります。あくまでも、全国平均として参考にしてください。
アルバイトの平均時給
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区)は、同社が運営するアルバイト・パート求人情報サイト「マイナビバイト」に掲載された求人広告データを集計した結果、2025年3月度の全国平均時給は1267円でした。業種によって差があり、特に時給が高かったのは「医療・介護・保育」の1530円、低かったのは「アパレル・ファッション関連」の1115円でした。
また、都市部では1300円以上の時給を設定している求人も珍しくありませんが、地方では1000円前後の場合が多いです。例えば、全国の最低賃金を見てみると、最も高い東京都の1163円に対し、最も低いのは秋田県の951円でと設定されており、地域差が大きいことが分かります。
正社員よりもアルバイトのほうが稼げる?
「正社員よりもアルバイトのほうが稼げる」という話を、耳にしたことがある人もいるかもしれません。たしかに、条件次第ではアルバイトのほうが高時給で働けるケースもありますが、これはごく限られたケースです。
例えば、深夜に働く業種や、IT系、医療系アルバイトといった特定のスキルが求められる職種では、時給が2000円を超えるケースもあります。ただし、一般的には正社員のほうが高い給与水準で働けるケースが多いです。
さらに、正社員には賞与・各種手当・退職金など、時給に反映されない報酬も多いため、最終的な収入は、アルバイトよりも高水準であるケースが多く、総合的な収入はアルバイトよりもはるかに上回るのが現状です。
正社員とアルバイトの違い
同じ職場で働いていても、正社員とアルバイトでは立場や待遇が大きく異なり、給与面のほかにもさまざまな違いがあります。ここでは、正社員とアルバイトで給与面以外の代表的な違いについて解説します。
昇給の有無
正社員は、年功序列やスキルアップによって昇給が期待できるのに対し、アルバイトは昇給の幅が限定的です。
例えば、「令和6年 賃金構造基本統計調査」によると、正社員の平均月額給与は、採用後1年目が26万6500円、勤続年数30年以上では43万3900円となっています。一方、アルバイトの場合は、長期間勤務しても時給が大幅に上がるケースは少なく、昇給しても数十円程度が一般的です。
働き方の違い
正社員とアルバイトの働き方は、雇用期間に定めがあるかどうかが大きな違いです。
アルバイトの多くは、雇用期間があらかじめ定められた「有期雇用」として採用されています。そのため、契約期間を満了した場合は、再び雇用契約を結ぶ必要があり、採用元の状況次第では契約が更新されない恐れもあります。
一方、正社員の場合は無期雇用として採用されており、重大なトラブルや会社の経営悪化などの特別な事情がないかぎりは、安定して働き続けることができます。
待遇の違い
正社員は、賞与や退職金、各種手当が支給され、将来的なキャリアアップの機会も期待できます。一方、アルバイトは、正社員が受けられる福利厚生の多くが適用されず、限定的なケースが一般的です。また、長期的な雇用保障もないケースがほとんどです。
正社員とアルバイトの違いを理解して働き方を考えよう
時給だけを比較すると、アルバイトのほうが稼げるケースもあるものの、長期的な視点で考えると、正社員のほうが安定した収入やキャリア形成、福利厚生の面でメリットが大きいといえるでしょう。
自分に合った働き方を選ぶためには、時給だけでなく、正社員とアルバイトの違いを十分に理解することが大切です。自分のライフスタイルや将来設計に応じて、最適な働き方を見つけましょう。
出典
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
株式会社マイナビ 2025年3月度アルバイト・パート平均時給レポート
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
