【2025年】大手企業の夏ボーナスは「86万円」で、過去最高額を更新! 妥結額は“実際の支給額”とどう違う? 2024年夏の「実績」も振り返り
労務行政研究所が東証プライム上場企業を対象に実施した2025年夏のボーナス妥結額(平均)の調査結果が発表されました。その金額は約86万円で、前年よりも増加して過去最高となっています。これは、多くの働く人々にとって明るいニュースといえるでしょう。
とはいえ、「妥結額」は、実際に手元に入る金額と完全にイコールではありません。
本記事では、楽しみな夏のボーナスの妥結額の意味や最新事情、過去の推移などについて解説します。
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妥結額「約86万円」は実際の支給額?
2025年の「妥結額」である約86万円は、労使交渉によって決まった金額を指します。実際に支払われる金額に近い数値ではあるものの、完全に同じわけではありません。
実際、労務行政研究所によると、2024年夏のボーナスの妥結額(平均)が84万6021円だったのに対し、実績は83万1003円でした。
また、妥結額は税引前・社会保険料引前の支給総額であり、個人の所得税率や扶養状況、勤務先企業の給与体系によって、実際に受け取る手取りは大きく異なります。
さらに、この調査は東証プライム上場の大手企業が対象です。中小企業などの場合、この金額よりもかなり低いケースもあるでしょう。
ボーナス平均額の推移から見る企業の景況感
労務行政研究所のデータによると、ここ数年の夏のボーナス妥結額の単純平均は以下の通りです。
・2021年:71万397円
・2022年:76万5888円
・2023年:79万4008円
・2024年:84万6021円
・2025年:86万2928円
このように、この5年間の妥結額は毎年右肩上がりで推移しています。特にここ1~2年は、物価上昇(インフレ)の影響もあり、賃金の引き上げやボーナスの増額を求める声が強まり、それに応じる形で企業側も回答額を引き上げる傾向が続いています。
実際、総務省によると、消費者物価指数は2020年を100とすると2025年3月時点は111.1であり、前年同月比で3.6%上昇しています。
労務⾏政研究所の調査の2025年夏のボーナス妥結額は、2024年よりも3.8%増となっています。ただし、これは前年同期と⽐較できる同⼀企業について伸び率を算出したものですから、妥結金額を単純比較すると2.0%の上昇ですので、昨年と比べると実質的な賃金はマイナスという場合もあるのではないでしょうか。
ボーナスの行方は企業業績次第
労務⾏政研究所の調査では過去最高の妥結額ですが、この金額はあくまでも東証プライム上場の大手企業の平均です。
ボーナスは、基本的に企業の利益や業績に基づいて支給されます。そのため、景気が好調であればあるほど、ボーナスにも反映されやすくなります。逆に、景気後退や業績不振が予測されるときは、ボーナスカットや据え置きの可能性も少なくありません。
全体としては賃上げムードの中、ボーナスも上昇傾向ですが、個別にみると昨年を下回ることもあるでしょう。
まとめ
東証プライム上場企業の2025年の夏ボーナスの妥結した水準は、単純平均で約86万円と過去最高の水準です。とはいえ、この金額をもらえるのは一部の企業であり、全ての人に当てはまるわけではありません。
ボーナスが支給される場合、旅行や買い物に使うのも良いですが、物価上昇が続く今においては、将来への備えとして貯蓄や投資にあてるのも良いでしょう。
出典
一般財団法人労務行政研究所 東証プライム上場企業の2025年夏季賞与・⼀時⾦(ボーナス)の妥結⽔準調査
総務省 2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)3月分(2025年4月18日公表)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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