40代で手取り「28万円」で、年収にすると「450万円」です。新卒に負けている気がしてつらいですのですが、40代の平均に比べて少ないですか?

配信日: 2025.05.25 更新日: 2025.10.21
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40代で手取り「28万円」で、年収にすると「450万円」です。新卒に負けている気がしてつらいですのですが、40代の平均に比べて少ないですか?
40代になっても手取りが月28万円、年収にすると約450万円……。自分の給与額について、ふとした瞬間に「これって新卒に負けてないか?」「他の人と比べて少ないのでは?」と不安になることもあるでしょう。
 
特に、SNSやネット記事で「20代で年収600万円」「30代で外資系に転職」などといった情報が目につくと、自分の収入が見劣りして感じられるものです。
 
しかし、実際のところ、年収450万円は本当に少ないのでしょうか? 本記事では、厚生労働省や民間調査のデータをもとに、40代の平均年収と比較し、現在の収入がどの水準にあるのかを客観的に見ていきます。
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平均年収と比べてみると?

「自分の年収は低いのでは?」と感じたとき、まず気になるのが他の人の平均的な収入です。実際のところ、40代の平均年収はどれくらいなのでしょうか?ここでは、公的データや民間調査をもとに、現在の収入が平均と比べてどの位置にあるのかを確認してみましょう。
 
パーソルキャリア株式会社(東京都港区)が運営する求人・転職サービスの「doda」が、20~65歳までの年齢別に、2023年9月~2024年8月の1年間で同サービスに登録したビジネスパーソン約60万人の平均年収データを集計・分析した「平均年収ランキング(年齢別・年代別の年収情報)【最新版】」(調査期間:年代別の平均年収データ(2023年))によると、40代全体の平均年収は519万円です。
 
男女別では男性が601万円、女性が420万円と大きく異なることが分かります。
 
このデータから見ると、年収450万円は「40代全体の平均よりやや低い」「女性平均より高く、男性平均よりは低い」位置にあります。極端に低いわけではありませんが、平均を下回っていることは事実です。
 
ただし、この平均年収には、医師・弁護士・外資系社員など、極端に高収入な層も含まれています。そのため、実感に近い「中央値」も見ておくことが重要です。
 

年収の中央値で見ると、意外と平均的?

一般的に、中央値は「すべての人を年収順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる人の年収」です。dodaやその他の統計によれば、40代の年収中央値は450万円(男性:550万円、女性380万円)です。
 
つまり、年収450万円というのは、統計上「真ん中」に位置する水準だといえます。つまり、世の中には平均より低くても、大多数の人と同じくらいの収入である可能性が高いのです。ただし、男性では低く、女性では高くなるため、性別によって異なります。
 
SNSで目にする年収1000万円や外資で昇進などの声は、あくまでも一部の高収入層であり、決して多数派ではありません。そのような情報と比較して落ち込むのは、自分に過度なプレッシャーをかけてしまう原因になりかねません。
 

手取り28万円は新卒以下ではない

「最近の新卒は初任給が高い」という印象を持っている人も多いかもしれません。実際、2023年には多くの大手企業が初任給を引き上げました。
 
パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関「Job総研」が実施した、「2025年 初任給実態調査」(調査期間:2025年4月15~16日、調査対象:20~50代の男女284人)によると、2025年卒新社会人の初任給の平均は26万6000円で、25〜29万円が42.3%で最多です。
 
しかし、注意したいのは「額面」と「手取り」の違いです。手取り額は社会保険料や税金が控除されるため、月給28万円の場合は23万円前後になります。新卒の場合は、保険料や税金の控除は40代より軽いですが、当然ながら生活費は自己負担です。
 
また、40代の手取り28万円には、これまでの経験やスキル、役職に応じた価値が含まれています。年収が上がらなかったとしても、安定して得られる収入は決して新卒以下ではないのです。
 

今後の収入アップにつなげるには?

とはいえ、将来が不安だという方は、収入アップを見据えた行動を検討するのも一つの手です。収入をアップさせるには、以下のようなアクションが考えられます。
 

1. スキルアップ・資格取得

営業、経理、ITなどの専門分野でスキルを高めれば、昇格や転職で年収アップを狙いやすくなります。特にIT系資格(基本情報技術者、AWS、Pythonなど)は転職市場でも高評価です。
 

2. 副業での収入補完

最近では、副業OKの企業も増えてきています。スキルを生かしたライティング、動画編集、投資など、月に数万円でも収入を増やせば、将来の備えになります。
 

3. 転職で環境を変える

年功序列が弱まり、40代でも転職が一般化しています。業界を変えるのは簡単ではありませんが、同じ職種・経験を生かせる環境であれば、年収50〜100万円アップも可能です。
 

比べるべきは他人でなく「自分のこれから」

年収450万円・手取り28万円という数字は、40代のなかで少ないとは言い切れません。確かに平均よりやや下かもしれませんが、中央値や分布を考慮すれば、社会全体で見れば決して少数派ではないからです。
 
新卒や高収入層と自分を比べて落ち込むよりも、「これからどうするか」を考えることが何より大切です。スキルアップや家計の見直し、情報収集を通して、自分に合った働き方と生活設計を見つけていきたいものです。
 
「今の自分」は過去の選択の結果かもしれませんが、「これからの自分」は、今からの行動次第で変えられます。焦らず、自分のペースで前を向き、納得のいく人生を築いていきましょう。
 

出典

パーソルキャリア株式会社 doda 平均年収ランキング(年齢別・年代別の年収情報)【最新版】
パーソルキャリア株式会社 Job総研 2025年 初任給実態調査(PR-TIMES)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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