年収「1000万円」の会社員にかかる「税金」にはどのようなものがあるのでしょうか?

配信日: 2025.05.27 更新日: 2025.10.21
この記事は約 4 分で読めます。
年収「1000万円」の会社員にかかる「税金」にはどのようなものがあるのでしょうか?
日本の会社員にとって、年収1000万円は一つの目標となるラインです。実際に達成できる方の割合は多くありません。一方、年収1000万円は高収入であるがゆえ、税金や社会保険料の負担も大きくなります。
 
本記事では、年収1000万円の会社員にかかる税金の種類や税額をはじめ、税金以外に給与から天引きされるものについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年収1000万円の会社員は日本にどのくらいの割合を占めるか

日本で年収1000万円以上を得ている給与所得者の割合は約279万1000人と、全労働人口の約5.5%に過ぎません。
 
これは国税庁が公表した、「令和5年分民間給与実態統計調査」の結果で明らかになっています。つまり、年収1000万円を得ているのは約20人に1人の割合であり、いかに到達が難しいかが分かります。
 
また、男性は全体の約8.6%、女性では約1.4%と、男女間の給与差は顕著です。なお、この調査の対象には、公務員や日雇い労働者、経営者や個人事業主は含まれていません。
 

給与にかかる税金の種類を解説

給与所得には主に2種類の税金がかかります。一つは「所得税」、もう一つは「住民税」です。
 
所得税は、労働者が国に納める税金で、支給される給与金額に応じて税率が変動する累進課税制度が採用されています。累進課税制度は、給与所得が高いほど税率が高くなる制度で、所得に応じて5~45%の段階があります。
 
一方の住民税は、労働者がその年の1月1日時点で住民票を置いている地方自治体に支払う税金で、給与所得に対する約10%の税率が設定されています。地域ごとに条例などで税率に細かな違いはありますが、大きな差はありません。
 
また、住民税は前年の所得に対して課税されるため、給与が急に減った場合にすぐには反映されません。転職や退職などで給与が大きく変化する際は、注意が必要です。
 

年収1000万円の会社員が支払う税金の税率

年収1000万円の会社員は、実際にどのくらいの税金を支払うのでしょうか。ここからは、賞与を除き、月給のみの年収1000万円で考えます。東京都在住、年齢40歳、扶養なしの条件で試算します。
 
国税庁の資料「令和5年分 源泉徴収税額表」によると、年収1000万円(扶養家族なし)の場合、月給は約83万3000円となり、社会保険料控除は約11万2000円です。
 
また、月々の所得税は約6万6000円で、年間の所得税はおよそ約80万2000円です。毎月の勤務状況などにより金額は多少変動しますが、一般的には社会保険料等控除後の給与金額に対する所得税率は約7.7%となります。
 
住民税は年収の10%程度ですが、各種控除を考慮すると、年間で約62万2000円の支払いになります。所得税と住民税を合計すると約142万4000円、つまり約14.2%が税金として引かれる計算です。さらにこれより年収が高くなると、給与所得控除が減少するため、税負担はさらに増加します。
 

税金だけではなく社会保険料もかかってくる

給与から引かれるのは、税金だけではありません。実は、社会保険料も大きな負担になっています。社会保険料には、厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料(40歳以上)、雇用保険料などが含まれます。
 
全国健康保険協会の「令和5年度保険料額表」によると、東京都在住の40歳で年収1000万円(月給約83万3000円)の会社員の場合、厚生年金保険料は年間約71万3000円、健康保険料は介護保険料の上乗せも含めて約57万2000円、雇用保険料は約5万5000円です。
 
合計すると年間で約134万円に達し、これを税金と合わせると、約276万4000円(約27.6%)の負担となります。社会保険料は給与から毎月自動的に引かれており、負担も大きなものになります。
 

税金の基本を知って、将来の資産形成にもつなげよう

1000万円の給与からは、所得税と住民税の2種類の税金が控除されます。また、所得税と住民税、社会保険料を合わせた控除額は27%を超え、大きな金額が毎月控除されています。
 
自分の手取り額を正しく把握し、税金の仕組みを理解しておくことが、将来の資産形成に向けた第一歩となります。今後のライフプランを見据え、賢く備えていきましょう。
 

出典

国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
国税庁 No.2260 所得税の税率
国税庁 令和5年分 源泉徴収税額表
全国健康保険協会 協会けんぽ 令和7年度保険料額表(令和7年3月分から)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問