40歳で「手取り30万円・貯蓄200万円」です。周りは自分より「高収入」で貯蓄も多いですが、“同年代の平均”と比べて少ないほうでしょうか？

給与や貯蓄額は、個人の状況やライフスタイルによって大きく異なります。そのため、収入や貯蓄は周りの人と比べてもあまり意味がないと頭では分かっていても、気になってしまうものではないでしょうか。
 
特に親しい友人が自分よりも手取りも貯蓄も多いと、客観的に見た自分の立ち位置を知りたい人もいるでしょう。
 
本記事では、「40歳で手取りが毎月30万円、貯蓄200万円」の水準について、一般的な統計データを基に解説します。

40歳代前半の平均給与

国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、日本の民間企業における給与所得者の平均年収は約460万円です。ただし、これは全世代を含む平均値であり、年齢や業種、企業規模によって大きく異なることを念頭に置いておきましょう。
 
同調査の年齢別の平均給与を見ると、40～44歳の平均年収は501万円です。手取りが8割だとすると、約400万円になりますので、月額では33万円程度です。そのため、「40歳で手取り30万円」というのは、平均よりもやや少ないものの、同年代よりも少なすぎるという程でもないでしょう。
 

40歳くらいの平均貯蓄

続いて40歳くらいの貯蓄状況を見ていきましょう。
 
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査［二人以上世帯調査］（令和5年）」によると、40代の平均貯蓄額は889万円となっています。
 
ただし、平均値は極端に貯蓄が高い人の影響を強く受けますので、より実態を捉えるには中央値が重要です。そして、同調査では40代の貯蓄の中央値は220万円です。
 
したがって、貯蓄200万円は平均よりやや低いものの、中央値に近い水準であると言えます。
 

給与アップのポイント

今回の場合、給与も貯蓄も同年代と比べて極端に少ないということはなさそうです。とはいえ、できるだけ給与や貯蓄を増やしたいという人も多いでしょう。
 
では、給与について増やすポイントを見ていきます。
 
給与については、取りあえずは現在の仕事での昇進や昇給のチャンスをつかみたい人が多いのではないでしょうか。
 
昇進や昇給の条件は会社によって異なりますが、一般的には自身の専門性を高めるための資格取得や研修参加によりスキルを高めていくことで、仕事の成果が上がり、昇進や昇給も近づきます。仕事の成果をときには積極的に上司に伝え、アピールすることも大切です。
 
また、現在の職場での昇給が見込めない場合は、他社への転職を視野に入れることも1つの手段です。ただし、転職にはリスクも伴うため、慎重な判断が必要です。
 
最近では、副業を許可する企業も増えてきています。自社が副業OKか確認したうえで、自身のスキルや趣味を生かした副業で収入を増やすことを検討しても良いでしょう。
 

貯蓄を増やすためのポイント

貯蓄を増やすには、まずは収入を増やしたいところですが、収入が増えなくても支出を減らせばその分を貯蓄に回せます。毎月の収支を把握し、無駄な支出を削減することで、貯蓄に回せる金額を増やすことを検討しましょう。
 
また、「余ったお金を貯めよう」としてもなかなか計画通りに貯蓄が進まないことも少なくありません。その場合は、給与から自動的に一定額を貯蓄口座に振り分けることで、計画的に貯蓄を増やすことができます。
 
リスクを最小限に抑えた投資商品を活用し、資産を増やすことも1つの手段です。ただ、投資にはリスクが伴うため、リスクを理解の上で十分な情報収集と慎重な判断が必要です。
 

まとめ

40歳で手取り30万円、貯蓄200万円という状況は、平均的な水準と比較すると若干低いかもしれません。とはいえ、低すぎるということはないでしょう。
 
また、収入や貯蓄は個人の状況やライフスタイルによって大きく異なります。大切なのは、他人と比較することではなく、自身の目標やライフプランに合わせて、収入や貯蓄を増やすための具体的な行動を取ることです。
 
スキルアップや家計の見直しなど、小さな努力の積み重ねが将来の安心につながるでしょう。
 

出典

国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査－調査結果報告－
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査［二人以上世帯調査］（令和5年）
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー