年収「1000万円」でも余裕がないと聞きますが、どんな暮らしをしているのでしょうか? 高所得者の生活費の内訳について解説!

配信日: 2025.05.29 更新日: 2025.10.21
この記事は約 4 分で読めます。
年収「1000万円」でも余裕がないと聞きますが、どんな暮らしをしているのでしょうか? 高所得者の生活費の内訳について解説!
年収1000万円の生活では、収支のバランスがどのように確保されているのでしょうか? 収入が高くても税金や社会保険料を差し引くと手取りが少なくなるため、余裕のある生活をするにはどうしたらよいか、家計管理の実態を知りたいところです。
 
そこで今回は、年収1000万円の高所得者における生活費の内訳について紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年収1000万円の家庭の消費支出

総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2024年」によると、1世帯あたり1ヶ月の消費支出は、年収1000~1250万円の世帯で40万2012円、1250~1500万円の世帯で48万8991円、年収1500万円以上の世帯で54万8468円という結果が出ています。
 
例えば、年収1000万円(ボーナスなし)の月収は約83万円で、ここから社会保険料や税金を差し引くと、年間の手取り額が約728万円、月々の手取り額は約61万円です。1ヶ月の収入を61万円とした場合、上記の家計調査結果の数字から、消費支出が40万円程度であれば収支のバランスがよく、余裕のある生活が確保できると考えられます。
 
ただし、貯蓄や投資をしたり、住宅ローン、教育費、趣味・旅行、健康・美容などに使う費用が多くなったりする場合には、家計のゆとりに差が出てくるでしょう。
 
ちなみに、家計調査の全体の平均消費支出は30万243円です。年収1000万円の世帯では、全体平均よりも10万円ほど多く生活費がかかっていることになります。
 

年収1000万円の家庭の生活費内訳

続いて、年収1000万円世帯の生活費の内訳を見ていきましょう。図表1は、同じく「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2024年」の調査による、1世帯あたり1ヶ月の生活費の内訳です。
 
図表1

年収1000~1250万円 年収1250~1500万円 年収1500万円以上
食料 10万2952円 11万4731円 12万9578円
外食 2万1886円 2万7319円 3万6872円
住居 2万469円 2万8681円 2万6858円
水道・光熱 2万4389円 2万4578円 2万7321円
家具・家事用品 1万5559円 1万9328円 1万8639円
被服・履物 1万5753円 2万1312円 2万4056円
保健医療 1万6604円 2万261円 2万4017円
交通・通信 5万7283円 6万8447円 7万4755円
教育 3万614円 4万467円 3万8581円
教育娯楽 4万1047円 5万2140円 6万7766円
その他 7万7343円 9万9046円 11万6895円

総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2024年 表番号2-3」を基に筆者作成
 
年収1000万円以上の世帯において、生活費のなかで最も比重を占めているのは「食料費」の約10~12万円で、消費支出の4分の1ほどとなりました。
 
意外に少ない印象の「住居費」ですが、年収1000万円以上の世帯では、賃貸よりも持ち家に住んでいる割合が高く、持ち家所有の割合は86.5~90.2%です。図表1の住居費の内訳は、家賃のほかに、主に住居設備の修繕費や維持費、工事代などが該当します。
 
また、年収1000万円で月々の住宅ローンが発生した場合は、家計調査結果の数字から月額の手取りを61万円と仮定し、住宅ローンの返済額を一般的な目安とされる25%で計算すると、月々の支払額は15万円ほどとなります。
 
年収1000万円以上の世帯で食料費に次いで消費支出が多いのは「交通・通信費」です。交通費は、通勤・通学費用や車のガソリン代などで月々1万円以上、それ以外に自動車の購入費や維持費などで約3~4万円支出しています。通信費については、年収差による金額差はさほど大きくなく1万5000円ほどです。
 
続いて消費支出が多いのが「教育娯楽費」で、約4~7万円です。家計の余裕がある世帯では、娯楽や学びに関わる費用が多くなり、授業料の高い学校を選ぶ傾向があることがうかがえます。
 
「その他」の項目には、理容・美容にかける費用やたばこ代、交際費や生活支援、祝い金などの贈与金が含まれます。高所得者になると、仕事上の付き合いで支出が増える傾向があるのでしょう。交際費については、月々2~3万円ほど出費しています。
 

年収1000万円の世帯は消費支出も多くなる

年収1000万円の世帯では、消費支出も高くなることがあると分かりました。最も支出が多いのは食料費、次いで交通・通信費、教育娯楽費と続きます。
 
家計にゆとりがある世帯では、住居購入や趣味やレジャー、健康や美容、教育などの出費が多くなる傾向にありますが、平均的な消費支出であれば、ゆとりのある生活が確保できるでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2024年 表番号2-3
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問