パワーカップル・ファミリーって何? 世帯年収がどのくらいになれば該当するの?
この記事では、その定義や収入の目安、現状の課題、そして社会がどうサポートしていくべきかを詳しく見ていきます。
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「パワーカップル」とは? 夫婦それぞれの年収700万円以上が目安
「パワーカップル」とは、夫婦ともに高収入を得ている共働き世帯を指す言葉です。明確な定義は存在しませんが、一般的には夫婦それぞれが年収700万円以上、世帯年収1400万円以上の夫婦が該当するとされています。
ただし、媒体によって基準が異なり、例えばパワーカップルというワードを作ったとされる書籍では、夫の年収1000万円・妻の年収600万円と定義されています。このように定義には幅がありますが、共通しているのは、夫婦ともに高収入であることが条件となっている点です。
パワーカップル世帯は全体の0.83%、共働き世帯の2.9%にとどまる
パワーカップルは、全体の世帯数の中ではごく少数派です。株式会社ニッセイ基礎研究所の調査によると、2024年時点で、夫婦ともに年収700万円以上のパワーカップル世帯は約45万世帯存在し、これは全世帯の約0.83%、共働き世帯の約2.9%に該当します。
パワーカップルは全体の中では少数派であるものの近年増加傾向にあり、過去10年で2倍に増えているようです。
パワーカップルの特徴
高収入なパワーカップルは、経済的なメリットがある一方、さまざまな課題も抱えています。
【税負担の軽減】
夫婦ともに高収入であるパワーカップルは、所得税の累進課税制度の影響を受けにくく、税負担が軽減される傾向にあります。例えば、夫婦それぞれが年収700万円の場合、単独で年収1400万円の世帯よりも所得税の負担が軽くなるようです。
【住宅ローン控除の活用】
パワーカップルは、夫婦それぞれが住宅ローンを組むことで、双方が住宅ローン控除を受けられるメリットがあります。これにより、税負担の軽減や資産形成に有利な環境を整えることが可能です。
【資産形成や家事の課題】
一方で、パワーカップルは高収入であるがゆえに、生活水準が高くなりがちで、支出も増加する傾向があります。
その結果、十分な貯蓄や資産形成ができないケースもあるようです。また、共働きで多忙な生活を送る中で、家事や育児の分担、ワークライフバランスの確保といった課題にも直面しています。
まとめ
パワーカップルの増加の背景には、女性の社会進出や共働き世帯の増加があります。今後、こうしたパワーカップル・ファミリーをさらに増やすには、社会全体での支援が欠かせないでしょう。
まずは、フレックスタイム制度やテレワークなど、柔軟な働き方を可能にする制度の整備が必要です。これにより、仕事と家庭の両立がしやすくなります。
また、保育所の拡充やベビーシッター利用への支援など、子育て環境の充実も重要です。さらに、共働き世帯が不利にならないよう、税制や社会保障制度の見直しも求められます。
今後、社会全体で支援体制が整えば、こうした夫婦がより暮らしやすくなり、豊かな社会の実現にもつながるでしょう。
出典
株式会社ニッセイ基礎研究所 パワーカップル世帯の動向-2024年で45万世帯に増加、うち7割は子のいるパワーファミリー
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
