世帯年収700万円ですが、正直カツカツです…。やっぱり「子育て世帯」には足りない額なんでしょうか?

配信日: 2025.06.16 更新日: 2025.10.21
この記事は約 3 分で読めます。
世帯年収700万円ですが、正直カツカツです…。やっぱり「子育て世帯」には足りない額なんでしょうか?
世帯年収700万円と聞くと、少し余裕がありそうに感じるかもしれません。しかし、実際に子育てをしながら暮らしていると、収入の割に生活がギリギリだと感じることも珍しくないようです。
 
今回は、年収700万円の子育て世帯が生活に余裕がないと感じる理由と、今後の対策などについて整理し、どうしたら少しでも暮らしが楽になるかを考えてみます。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

世帯年収700万円は全体平均より上回っているが、児童のいる世帯より少ない

「世帯年収700万円って、普通に暮らすには十分なのでは?」そんな声が聞こえてきそうですが、実際に子育てをしている家庭にとっては、そう簡単な話ではありません。
 
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、1世帯当たりの平均所得金額は全世帯平均で524万2000円となっているため、世帯年収700万円はこれより高めですが、安心できるほどの差ではありません。
 
というのも、税金や社会保険料などを引かれ、月々の使えるお金はおよそ40万~45万円ほどになると考えられます。この中から家賃や住宅ローン、保育料、食費、教育費などをやりくりしていると、貯金する余裕もあまりないのが実情です。
 
さらに、予期せぬ出費や子どもの成長に伴う費用増もあり、毎月の家計は常にギリギリになってしまう可能性が考えられます。
 
実際に同調査によれば、児童のいる世帯においては、1世帯当たりの平均所得金額は812万6000円と、今回の事例における世帯年収700万円を100万円以上上回っています。
 

子どもが成長するたび、家計はさらに圧迫される可能性がある

子どもを育てるためには、進学先や生活スタイルによっても異なりますが、大学卒業までに総額2000万~3000万円ほど費用がかかるともいわれています。
 
子育てにかかる費用には大きく分けて養育費と教育費があります。前者は衣食住や医療などにかかるものが該当し、子どもが自立するまでに必要な費用です。後者は、教育に必要な費用が該当し、受験費用や授業料などを指します。
 
子どもの成長とともに、家計にかかる負担も確実に増えていきます。例えば、塾などの学校外活動の費用は年齢が上がるほど高額となる傾向です。ほかにも、毎年サイズが変わると結構な支出となり得る被服費、お小遣いや携帯電話料金、旅行費などもかかってきます。
 
こうした負担は決して一時的なものではなく、長期にわたって家計を圧迫し続ける要因となっている可能性があります。
 

無理に“理想の子育て”を目指さなくてもいい

「もっと習い事をさせてあげたほうがいいのかな」「選択肢を広げるために私立も視野に入れたほうがいいかもしれない」そのように考え始めると、どこまでも出費が増えていきます。理想を追い求める気持ちは大切ですが、親が無理してしまうと家計だけでなく心にも負担がかかります。
 
もちろん子どもにとってベストな環境を用意したい気持ちは自然なことです。しかし、すべてを叶えようとすれば生活はどんどん苦しくなっていきます。だからこそ、自分たちの収入に合った暮らし方や教育方針を考えることが何より大切です。
 

比べるのではなく、自分たちのペースで

年収がいくらあっても、支出が多ければ生活は苦しくなります。逆に、収入がそれほど高くなくても、固定費などを抑えて工夫して暮らしている家庭もたくさんあります。他の家庭と比べるよりも、自分たちにとって無理のない生活設計を立てることが、子育てを続けていく上で大切なのかもしれません。
 

出典

厚生労働省 2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況 II 各種世帯の所得等の状況(9ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問