夫は「年収700万円」のエンジニア。会社員を辞めて「フリーランス」になっても同じだけ稼げるとのことですが、退職金など考えると“会社員”のほうがメリットは多いですよね…?

配信日: 2025.06.23 更新日: 2025.10.21
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夫は「年収700万円」のエンジニア。会社員を辞めて「フリーランス」になっても同じだけ稼げるとのことですが、退職金など考えると“会社員”のほうがメリットは多いですよね…?
昔より転職や副業が一般的になっている昨今、フリーランスを志す人も多くいます。特にエンジニアなどの専門職の場合、フリーランスとして独立するのは比較的現実的な選択肢かもしれません。
 
「会社員でもフリーランスでも同じ年収700万円なら、フリーランスになりたい」と思う人もいるかもしれませんが、実は会社員とフリーランスではお金の面でさまざまな違いがあります。
 
本記事では、同じ年収の場合でも、会社員とフリーランスでどのような差が出るのかを解説します。
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同じ年収でも会社員とフリーランスでは「手取り」が違う

同じ年収でも、会社員とフリーランスでは税金や社会保険料などを差し引いた手取りは必ずしも同額にはなりません。
 
会社員の場合、給与から自動的に厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料、所得税、住民税などが天引きされており、年末調整も会社が代行してくれます。一方、フリーランスは国民年金・国民健康保険の保険料を自分で支払い、さらに所得税・住民税の申告も自分で行う必要があります。
 
加えて、会社員は「給与所得控除」という形で自動的に経費が控除される仕組みになっていますが、フリーランスは経費を自分で計上しなければなりません。上手に経費処理ができれば節税になることもありますが、手間がかかったり、思った以上に税金の支払いが発生したりすることもあります。
 
結果として、年収700万円の会社員のほうが、フリーランスよりも手取りが多くなるケースも珍しくありません。
 

将来の年金額にも大きな差が

会社員とフリーランスでは将来受け取れる年金にも大きな違いが生じます。フリーランスは国民年金のみに加入していますが、会社員は国民年金に加え、厚生年金にも加入しています。
 
今回は厚生労働省の「公的年金シミュレーター」を使って、具体的な年金額を確認していきましょう。前提は次の通りとします。

●生年月日:1985年7月1日(2025年で満40歳)
●年収:700万円
●勤務期間:22歳~59歳
●年金受給開始年齢:65歳

この前提で試算すると、会社員の場合の年金額は年間214万円、フリーランスは79万円です。なお、国民年金の保険料と受け取る年金額は年収にかかわらず同じです。
 
この前提の場合、会社員のほうが負担する年金保険料は大きいですが、国が提供する将来への備えという点では、フリーランスよりも充実しているといえるでしょう。
 

退職金の有無と備え方

会社員とフリーランスの違いを考える際、退職金の有無も大きな点です。会社員は多くの場合、勤続年数に応じて退職金を受け取ることができますが、フリーランスにはその制度がありません。
 
もちろん、フリーランスも「小規模企業共済」などを利用して「退職金」を積み立てることができますが、掛け金も全額自己負担であり、積立額も自分で計画的に決めていく必要があります。
 

ローン審査への影響も

フリーランスは住宅ローンやクレジットカードの審査が会社員に比べて厳しくなる可能性があります。なぜなら、フリーランスは収入が不安定と見なされることが多いためです。
 
同じ年収だったとしても、会社員と比べてフリーランスは、「家を買う」「子どもの教育費の用意」といったライフイベント時、資金調達などの選択肢を狭めてしまう可能性があることも考慮しておいたほうがよいでしょう。
 

フリーランスという選択にはリスクヘッジを

もちろん、フリーランスには「自由な働き方」や「(場合によっては)高い報酬」「やりたい仕事が選べる」など、多くのメリットもあります。しかし、収入が不安定になるリスクは常に付きまとうため、以下のようなリスクヘッジを検討しましょう。

●生活防衛資金の確保(数ヶ月~年単位の生活費)
●所得補償保険や就業不能保険の活用
●毎年の節税・資産形成の戦略設計(iDeCo、小規模企業共済など)
●長期的なキャリアの見通しとスキル維持

 

まとめ

夫がフリーランスになると聞いて不安になるのは当然です。同じ700万円でも、会社員は見えない部分で手厚い保障を受けており、老後の備えやローンの面でも有利な立場にいます。逆に言えば、フリーランスとしてやっていくには、そうした差を自分で補う覚悟と計画が必要になります。
 
自由ややりがいを重視するか、安定や制度のメリットを重視するかは人それぞれです。人生設計の中で、家族でよく話し合った上で最適な選択をしていきましょう。
 

出典

厚生労働省 公的年金シミュレーター
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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