妻の友人が看護師で「年収600万円」と聞きました。これは高いほうなのでしょうか?

配信日: 2025.06.24 更新日: 2025.10.21
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妻の友人が看護師で「年収600万円」と聞きました。これは高いほうなのでしょうか?
看護師の友人・知人が年収600万円もあることを知ったら、「そんなに高いのか」と驚く方もいるかもしれません。看護師は重労働なうえに責任感を伴う仕事ですが、年収の相場はどのくらいなのでしょうか?
 
本記事では、看護師で年収600万円は高いかどうかを紹介し、看護師の年収が高い理由について解説します。
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看護師で年収600万円は高い? 看護師の年収を徹底比較

国税庁「令和6年 職種別民間給与実態調査」によると、管理職や役職者を除く看護師の給与平均は36万2867円でした。年収にすると、約435万円です。
 
また、看護師長の月収平均は44万7724円で年収は約540万円のため、年収600万円は看護師長レベルの収入です。そのため、看護師で年収600万円を稼いでいる人は、看護師のなかでも年収が高いといえます。
 

看護師の給与は特別に高いわけではない! 職種別で給与を比較

他の職種と比べて、看護師の年収がどれくらいの水準なのかを見てみましょう。


・看護師:36万2867円(年収:約435万円)
・事務職:36万1445円(年収:約434万円)
・技術者:38万5900円(年収:約463万円)
・高校教諭:57万4577円(年収:約689万円)

※役職者・管理者を除く

上記を比較すると、看護師は事務職や技術者などの職種と給与はほとんど変わりません。看護師は、特別に給与が高い職種でないことが分かります。
 

なぜ? 看護師で年収600万円が高いといわれる理由

それでは、なぜ看護師で年収600万円は高いといわれるのでしょうか。国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、勤労者の平均年収は男性が569万円、女性が316万円でした。
 
男性にとって年収600万円は平均年収に近く、「年収が高い」とは感じにくいかもしれません。しかし、看護師は女性の割合が高い仕事です。女性からすると年収600万円は約2倍の年収にあたるため、「看護師は年収が高い」と思われやすいでしょう。
 
看護師の年収が高いといわれる理由として、女性の平均年収の低さも要因になっていると考えられます。
 

看護師の年収が高い理由

看護師は、女性の平均年収との比較だけではなく、その仕事内容から実際に年収が高くなる理由もあります。
 

基本給以外の収入が多い

看護師は、職場によっても異なりますが、交替勤務や時間外労働、休日出勤の多い傾向にある仕事です。そのため、以下のような手当が付与されます。


・時間外勤務手当
・休日出勤手当
・深夜勤務手当
・交替勤務手当

夜勤の回数や忙しさ(残業)によって、給与が大きく増える可能性もあります。基本給に加えて、手当の額が大きくなりやすいため、収入も多くなるのです。
 

高い専門性が必要

看護師は、時に患者の命に関わる仕事を行います。また、看護師は国家資格であり、専門的な知識を要する仕事です。
 
さらに、看護師資格に加え、助産師や専門看護師、認定看護師といった専門的な資格もあります。このことからも分かるように、看護師は高い専門性を要する仕事のため、給与が高くなるのです。
 

医療業界の平均年収が高い

厚生労働省の「令和3年版 労働経済の分析」によると、業種別の年収平均額は以下のとおりです。


・医療業:498万8075円
・社会保険・社会福祉・介護:372万9161円
・小売業:379万0993円
・製造業:360万4687円

医療業界には、他業種と比べて平均年収が100万円以上高い職種もあります。医療業界自体の平均年収が高いため、そこで働いている看護師の年収も高くなっているのです。
 

需要の高い仕事

厚生労働省が発表した「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」によると、2022年の全体の有効求人倍率は1.19倍でした。一方で、「看護師・准看護師」の有効求人倍率は2.20倍です。
 
このことからも分かるように、看護師は需要の高い職種のため、給与水準も高くなる可能性があります。
 

看護師の年収は女性の平均と比べて高いイメージがついている可能性も

看護師の給与は、他の職種よりも特別に高いものではないことが分かりました。一方で、看護師は女性の平均年収よりも高く、そこから「年収が高い」イメージがついた可能性もあります。
 
また、専門性の高さや、基本給以外の手当の多さが年収をあげる要因になっています。年収600万円という数字に驚くだけでなく、その背景や職業の特性も踏まえて考えてみましょう。
 

出典

総務省統計局 令和6年 職種別民間給与実態調査 2 職種別平均支給額 表7 職種別、年齢階層別平均支給額
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
厚生労働省 令和3年版 労働経済の分析 -新型コロナウイルス感染症が雇用・労働に及ぼした影響- 看護師等(看護職員)の確保を巡る状況
厚生労働省 第195回職業安定分科会 参考資料 看護師等(看護職員)の確保を巡る状況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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