「新卒でも月30万円」時代に!給与が上がる今、日本人の“平均賃金”はいくら?男女差もチェック
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
初任給を引き上げる企業は7割
まずは、新卒者の初任給についてです。(株)帝国データバンクのアンケートによると、調査企業の約70%が、2025年度新卒者の初任給を引き上げました。
人材確保や物価高騰、そして日本の最低賃金の上昇に合わせて、初任給の引き上げという対応を行った企業が多かったようです。一方で、初任給の引き上げを行わないと回答した企業は、29.0%でした。
また、引き上げ額を回答した企業のうち、引き上げ金額が「1万~2万円未満」である企業の割合は41.3%で、最も高くなっています。次いで「5000~1万円未満」が30.7%となりました。なお引き上げた金額の平均は、9114円でした。
また、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査速報」によると、令和6年の勤続年数が0年の一般労働者の賃金は、以下の通りとなっています。
大学卒:30万3900円
高校卒:22万9000円
大学卒の新卒者の賃金は、前年比6%アップと大幅に上昇しています。高校卒の賃金も、前年比1.2%アップとなりました。
日本では、少子化の影響で労働人口が減少しています。少しでも若手の労働力を確保しようと、企業が新卒者の初任給を全体的に引き上げていることがよく分かります。
2024年の男女別賃金は?
次に、新卒者だけではなく、日本人全体の賃金について確認していきます。厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査結果の概況」によると、日本人の賃金は、以下の通りとなっています。
男女計:33万400円
男性 :36万3100円
女性 :27万5300円
新卒者と同様に、日本全体の平均賃金も、増加傾向が見られました。男性は前年比3.5%、女性は4.8%、男女合計で3.8%アップしています。
今後の給与はどうなる?
最後に、今後の日本の賃金がどうなるのか考えてみましょう。日本では、物価高が続いています。原材料や輸送コストの上昇に伴い、食料品や日用品、ガソリンのほか、さまざまなサービス価格が値上がりしています。
物価高に伴い、私たちの給与も上昇する傾向が見られています。私たちの給与は、物価高に追い付くように上がっていくため、まだしばらくは賃金の上昇傾向が続くと考えられます。
ただし「給与が上がった」といっても、ものやサービスの値段も上がっているので、必ずしも生活が経済的に楽になるというわけではありません。
引き続き、毎月の給与をきちんと管理し、無駄遣いしないよう、堅実に貯金を続けていきましょう。
まとめ
2025年の新卒者の初任給は大幅にアップしており、さらに日本全体で見ても賃金は上昇傾向が続いています。
お金を働くモチベーションの一つとしつつ、仕事に励んでみてはいかがでしょうか。また、日本全体の賃金アップの波に乗り、自分の収入を少しでも上げることができないか、検討してみるのもよいでしょう。
出典
株式会社帝国データバンク 初任給に関する企業の動向アンケート(2025年度)
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 速報
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
