東京23区で一人暮らしを始めた新入社員の息子は「家賃補助なし」「年収300万円」。暮らしていけるのでしょうか?

配信日: 2025.07.02 更新日: 2025.10.21
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東京23区で一人暮らしを始めた新入社員の息子は「家賃補助なし」「年収300万円」。暮らしていけるのでしょうか?
東京での一人暮らしに憧れを持つ若者は少なくありません。しかし、実際の生活は想像以上に出費がかさみ、思い描いたようにはいかないこともあります。収入が限られている場合は、やりくりの工夫によって暮らしやすくなるでしょう。
 
今回は、年収300万円の新入社員が東京23区で生活を続けられるかどうかを、実際の生活データを参考に検証していきましょう。
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年収300万円の手取りと生活可能な金額

年収300万円の社会人が1年間で受け取れる手取りは、約225万円~255万円とされています。これを12ヶ月で割ると、月の手取り額は約19万〜20万円です。収入のうち約2割は税金や社会保険料として差し引かれていることから、額面と実際に使える金額の差に驚く方も多いかもしれません。
 
また、ボーナスの有無や支給額によって月々の手取りには差が生じます。ボーナスが年2回支給される場合は、毎月の基本給がやや低めに設定されていることもあります。
 
一方で、ボーナスがない企業に勤めている場合には、毎月の給与のみで生活をまかなう必要があります。月収25万円の枠内で、住居費・食費・交通費・通信費などをすべてまかなわなければなりません。
 

東京23区の家賃は手取りに対して高すぎる水準

単身世帯の住居費は全国平均では毎月約2万円とされていますが、これは地方都市を含めた数値です。東京23区内での一人暮らしとなると、ワンルームや1Kといった単身者向けの物件でも家賃は約7万円〜9万円が相場です。とくに山手線内や人気エリアでは、10万円近くに達することもあります。
 
手取り19万円で家賃が7万円の場合、住居費が占める割合は約37%です。家賃が9万円であれば、全体の約47%を住まいに充てることになります。支出に回せる額が約10万円しか残らなければ、余裕のない暮らしを強いられてしまいます。
 
なお、通勤時間や利便性を優先して家賃が高い物件を選ぶと、生活そのものが立ち行かなくなる可能性があります。都心から離れたエリアや築年数の古い物件を選ぶなど、慎重に住居選びをすることが重要です。
 

単身生活にかかる毎月の支出とその実態

単身での暮らしには、食費や光熱費、交通費、通信費など、日常的な出費が確実に発生します。
 
また、日用品の購入費や、保険・医療にかかる費用、趣味や交際費といった支出も加わるため、必要な生活費は決して少なくありません。さらに、急な通院や冠婚葬祭といった臨時の出費が生じる場面も避けられないため、一定の余裕を見込んだ資金計画が必要です。
 
なお、奨学金の返済を抱えている人は、家計の中で固定的な支出になります。また、働き始めの時期は、家具や家電の準備などに初期費用がかかることもあり、出費が一時的にふくらむ傾向があります。
 
こうした状況を踏まえると、日常の支出をその都度見直しながら、無理のない範囲でやりくりする意識が欠かせません。日々の小さな出費を積み重ねた結果が、将来の安定した暮らしにつながっていきます。
 

無理なく暮らすために必要な工夫と考え方

東京での一人暮らしを収入の範囲でやりくりするには、生活全体の見直しが重要です。家賃は負担が大きいものであるため、まずは物件のエリア選定を工夫することがポイントです。住む場所を少し変えるだけでも、同じ広さや設備でも家賃が数万円異なるケースもあります。
 
また、日々の支出にも目を向ける必要があります。外食を減らして自炊の頻度を増やすと、自然と食費を抑えられるでしょう。通信費も見直しが可能です。大手キャリアから格安SIMに切り替えるだけで、月々の負担がかなり軽くなることがあります。
 
ほかにも、家計簿アプリを使って毎月の支出を可視化し、支出傾向を定期的に見直すことで、無駄遣いを防ぎやすくできます。生活水準を無理に上げず、身の丈に合った暮らしを意識することが長く安定して続けるコツです。
 

節約と計画次第で、23区での生活も可能

生活費が高くつく東京23区での一人暮らしは、年収300万円の新入社員にとって決して簡単なことではありませんが、不可能でもありません。家賃を抑える工夫や日々の支出を見直すことで、生活を実現することは十分に可能です。
 
大切なのは、「収入に合った暮らし方」を意識し、固定費から変動費までをバランスよく管理していくことです。自分に合ったスタイルを見つけていけば、東京での一人暮らしも前向きで充実したものになるでしょう。
 

出典

パーソルキャリア株式会社 doda 年収別の手取り早見表
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)
Apaman Network株式会社 アパマンショップ 東京都一人暮らし向け賃貸マンションの家賃相場
株式会社NTTドコモ 一人暮らしの生活費はいくら必要?節約のコツやお金の管理方法とともに解説
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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