年金・保険・税金…日本の「国民負担率は46%」と聞きました。働いても“半分”しか手元に残らないのでしょうか?
本記事では、「国民負担率」が何を意味するのかをわかりやすく解説し、実際の手取りとの関係、そして手元に残るお金を増やすための方法も紹介します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
国民負担率46%とはどういう意味?
国民負担率とは、国民全体の所得(国民所得)に対して、どれだけ税金や社会保険料(年金・健康保険・介護保険など)を支払っているかを示す割合です。
財務省によると、日本の令和7年度の国民負担率は46.2%と公表されています。これは、税金と社会保険料を合わせると、国民の所得の約半分に相当するということを意味します。
ただし、この数値は「平均値」であり、全員が同じ割合を負担しているわけではありません。所得が高い人ほど税率は高くなり、所得が低い人は税負担が軽くなるようになっています。
本当に「働いても半分しか残らない」のか?
「国民負担率46%」という言葉だけを見て、「給料の半分が取られる」と考えるのは早計です。
実際の給与明細を見ると、所得税・住民税・健康保険料・厚生年金保険料などが差し引かれていますが、その合計はだいたい15~25%前後です(扶養の有無や年収にもよります)。
たとえば、年収300万円の人の場合、手取りは225万円~255万円ほどで、実際に引かれるのは「半分」ではありません。「国民負担率」には、企業が負担する保険料分や消費税などの間接税も含まれているため、個人が給与明細で実感する負担額よりも大きい数値となります。
国際的に見た日本の負担率は高い?
国民負担率46%という数字だけを見ると、「日本は重税国家なのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、財務省の「国民負担率の国際比較(OECD加盟36ヵ国)」によれば、フランスやスウェーデンなどの北欧諸国では50%を超える国もあります。一方で、アメリカやスイス日本よりも低い水準です。
日本の国民負担率は先進国の中では中間程度とされており、特別に高いわけではありません。ただし、今後も高齢化が進むことで、社会保険料がさらに増える見通しとなっているため、上昇傾向にはあります。
手取りを少しでも増やすための方法
負担率そのものを下げることは難しいですが、手取りを増やす工夫は可能です。ここではいくつかの方法をご紹介します。
1.所得控除を活用する
ふるさと納税、医療費控除、生命保険料控除などを活用すれば、課税対象額を減らし、税金を軽減できます。
2.非課税制度の利用(NISA・iDeCo)
運用益が非課税になる制度を活用すれば、将来の資産形成に対する“税の取られ方”を減らすことができます。
3.副業・スキルアップによる収入の複線化
1つの給与だけに頼らず、副業や転職、スキル習得によって収入そのものを増やす方法もあります。
4.支出の見直しによる「実質的な手取りアップ」
節税と同様に、家計の固定費を見直すことも、手元に残るお金を増やす有効な方法です。
まとめ:数字に振り回されず、自分でできる対策を
「国民負担率46%」という数字はインパクトがありますが、必ずしもすべての人が収入の半分を差し引かれているわけではありません。実際には、手取りに影響するのは所得税や住民税、社会保険料などが中心です。
この数字に過度に不安を感じるのではなく、まずは自分の給与明細を確認し、活用できる制度や控除を把握することが大切です。負担を理解したうえで、できる対策を1つずつ積み重ねていけば、将来の安心にもつながるはずです。
出典
財務省 令和7年度の国民負担率を公表します
財務省 国民負担率の国際比較(OECD加盟36ヵ国)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
