高卒で働く妹と、短大を卒業して働き始めた私。月収が「1万円差」でした…学歴による収入差って本当にあるのでしょうか?
「学歴が高いほど収入が多くなる」とよく言われますが、実際にはその差を実感しにくいと感じる人もいるでしょう。本記事では、統計データをもとに学歴と収入の関係を読み解き、収入アップのために今できることについても考えていきます。
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就職後の月収は、学歴による違いが見えにくいこともある
高卒で働き始めた人と、短大卒で就職した人の間で、平均して月収に1万円以上の差が見られます。しかし、新卒の段階では、多くの企業で学歴別に初任給が設定されていますが、職種や業務内容によってはその差が小さいケースもあります。
また、短大卒の人が就職する頃には、高卒の人はすでに数年の経験を積んでいるため、結果的に収入差が縮まっている、あるいは逆転していることもあります。このように、就職の初期段階では、学歴による収入の違いが小さくなることもあるようです。
統計データで見る、学歴と収入の関係
厚生労働省が公表している「令和6年 賃金構造基本統計調査」によると、学歴ごとの平均月収は図表1のようになっています。
図表1
| 高校 | 高専・短大 | 大学 | 大学院 | |
|---|---|---|---|---|
| 全年齢平均 | 28万8900円 | 30万7200円 | 38万5800円 | 49万7000円 |
| 20~24歳 | 21万7300円 | 23万400円 | 25万800円 | 28万6200円 |
| 55~59歳 | 33万1300円 | 34万8300円 | 52万7200円 | 67万8200円 |
厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」をもとに筆者作成
短大卒と高卒の全年齢平均での差は、月収で1万8300円となっています。なお、あくまで全国平均であり、実際には業種や地域、会社規模などによって大きく変わります。
また、年齢が上がるにつれて平均的な収入の差が広がっていく傾向があります。これは、昇進や役職の有無など、キャリアの中で学歴が影響する場面があるためと考えられます。
収入は学歴だけで決まるわけではない
収入に影響を与えるのは、学歴だけではありません。むしろ、以下のような要素も重要です。
・選ぶ業種や職種
賃金水準は業界によって大きく異なります。IT・金融・インフラなどの業界は比較的給与が高めですが、販売や福祉・保育などは低めの傾向があります。
・スキルや資格の有無
簿記やMOS、語学力、ITスキルなど、業務に関連したスキルを持っていると、昇給や昇進の可能性が広がります。
・働き方の工夫
副業や転職など、自分に合った働き方を選ぶことで、学歴に関係なく収入アップを目指すことも可能です。特に最近は、副業が可能な企業も増えてきています。
こうした要因を上手に生かすことで、学歴による差以上の成果を得ることも十分に可能です。
まとめ:学歴以上に「選択と行動」が未来を変える
学歴によって収入に差が出ることは、統計的には事実です。ただし、それはあくまで平均的な傾向にすぎません。
実際の収入は、どの業界で働くか、どんなスキルを身につけるか、どのようにキャリアを重ねるかによって大きく左右されます。学歴にとらわれるよりも、今後の行動や選択を前向きに考えることのほうが、将来の収入を決める大きなカギになるでしょう。
自分に合ったキャリアの築き方を見つけ、少しずつでも成長していくことで、学歴だけでは得られない価値を生み出せます。
出典
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
