今年の夏ボーナスは「50万円」! 去年と同じなのに“手取り”が数万円少ないのは、「定額減税」が理由って本当!? 理由や“平均支給額”について解説

配信日: 2025.07.12 更新日: 2025.10.21
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今年の夏ボーナスは「50万円」! 去年と同じなのに“手取り”が数万円少ないのは、「定額減税」が理由って本当!? 理由や“平均支給額”について解説
2025年も夏のボーナスシーズンが到来しました。ボーナスも毎月の給与と同じく、額面から税金や社会保険料が引かれたものが手取りとなります。
 
昨年と今年で額面が同じなら手取りも同じだと思いがちですが、実はボーナスの「手取り額」は、さまざまな要因によって変動します。
 
本記事では、昨年と比べてボーナスの手取りが減った場合に考えられる理由、そして「額面50万円」は平均より多いのかどうか、最新データをもとに解説します。
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ボーナス額面は同じなのに、手取りが減るのはなぜ?

基本的には、額面が同じ場合は手取りも同じです。しかし、特に2024年と2025年では、額面が同じでも手取りが異なるケースが考えられます。
 
なぜなら、2024年は物価高対策として、所得税と住民税が1人あたり合計4万円減税される特例措置、いわゆる「定額減税」が行われたからです。ボーナスからも差し引かれた税金は少なくなっていました。2025年には定額減税はありませんので、2024年には軽減されていた税金が再び徴収され、同じ額面ならば手取りは減ることになるでしょう。
 
また、会社員の場合、前年の年収がある程度上がると健康保険料や厚生年金保険料も増加しますが、それは毎月の給与だけでなく、賞与も同様です。そのため、賞与の額面が前回と同じでも、毎月の給与が増えて年収が上がっていれば、社会保険料や税金も増えて手取りが減ることがあります。
 
さらに、年収が増えれば、所得税や住民税も増加します。年収に応じて社会保険料や税金の負担が増えることで、手取りが減ってしまうこともあるでしょう。
 

50万円のボーナス、実際多いほう?

そもそも、「ボーナス50万円って、今の相場と比べてどうなんだろう?」と思った人もいるかもしれません。最新の調査データを見てみましょう。
 
株式会社DONUTSが提供する「ジョブカン」が、2024年の夏季賞与の実態調査を行っています(出典:ジョブカン給与計算)。これによると、全体の平均支給額は約42万3000円です。これを踏まえると、額面50万円というのは、全体平均よりもやや高めだといえます。
 
ただし、支給水準は業種や企業規模、年齢、性別などによって差があります。例えば、同調査において、55~59歳の男性が最も高く、約72万5000円です。
 
ちなみに、労務行政研究所がまとめた2025年夏の上場企業の賞与妥結水準によれば、平均妥結額は約86万3000円で、前年より3.8%増となっています。この数値はあくまで「大手・上場企業」のデータですので、先に紹介した「ジョブカン」のデータのほうが、より一般的な水準を示しているといえるでしょう。
 
とはいえ、傾向としては、大手の賞与額が増えているように、2025年夏の大手以外の賞与も、前年の約42万3000円より増えている可能性も十分あります。
 

まとめ

今年の夏のボーナスが昨年と同じく50万円だったとしても、昨年よりも手取りが減るのは一時的な減税措置が終わったり年収自体が増加したりしたためで、制度的に不自然ではありません。そして、50万円という額面自体は、平均より高めであることがデータからも確認できます。
 
昨年と額面が同じで手取りが少ない場合、「なんだか損した気がする……」と感じるのももっともですが、全体の傾向や税制度の変化を知っておくことで、不安や疑問を和らげることができます。
 
ボーナスの手取り額は変動要素が多いため、まずは冷静にその内訳を確認するところから始めてみましょう。
 

出典

株式会社DONUTS ジョブカン 2024年の夏季賞与平均支給額は「422,643円」 ジョブカンが夏季賞与の実態調査を性別・年齢別・企業規模別に実施
一般財団法人 労務行政研究所 東証プライム上場企業の2025年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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