2025年夏のボーナスが「過去最高額」に!? 去年の平均支給額はいくらだった? 業界別の支給水準はどれくらい?

配信日: 2025.07.21 更新日: 2025.10.21
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2025年夏のボーナスが「過去最高額」に!? 去年の平均支給額はいくらだった? 業界別の支給水準はどれくらい?
2025年の夏のボーナスが「過去最高額となる見込み」と多くのニュースで報じられています。物価高騰が続くなかでの明るいニュースですが、実際にどれくらい支給されているのでしょうか。
 
この記事では、2024年の平均支給額との比較や業界ごとの支給水準、さらに今後の見通しについても解説します。
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2025年夏のボーナスが「過去最高」は本当か

2025年の夏のボーナスは、大手企業を中心に軒並み増加傾向にあります。株式会社帝国データバンクが発表した「2025年夏季賞与に関する企業の動向アンケート」によれば、正社員1人あたりの平均支給額は45万7000円で、前年同期比で1万8000円の増加となりました。
 
この背景には、企業の業績回復や人材確保のための待遇改善、さらには労働組合との春闘での賃上げ交渉の成果などが影響していると考えられます。また、輸出産業を中心とした円安の追い風も企業利益の底上げに貢献しています。
 
さらに、物価高に対する対策として支給額を上乗せしている企業も存在し、平均支給額は前年より増加しているのです。
 

2024年の夏のボーナス平均支給額はいくら?

一方で、2024年夏季のボーナスはどうだったのでしょうか。厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等」によると、2024年夏季賞与の労働者1人あたり平均支給額は41万4515円でした。
 
これは中小企業を含む全体の平均であり、大企業と中小企業の間には大きな差があると考えられます。
 

業界別の支給水準はどうなっている?

ボーナスの支給額は業界によっても大きく異なります。ここでは、前述の「毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等」を基に、代表的な業界の実情を見ていきましょう。
 

製造業

製造業全体における2024年夏季賞与の労働者1人平均支給額は54万7928円でした。
 
一般財団法人労務行政研究所「東証プライム上場企業の2025年 夏季賞与・⼀時⾦(ボーナス)の妥結⽔準調査」によれば、製造業のなかでも自動車や電機関連の大手企業においては、2025年夏のボーナスで平均100万円前後と高水準を記録しているようです。
 
輸出を中心とするビジネスモデルのため、円安による利益拡大が大きく寄与したと考えられます。特に自動車業界では、電動車やハイブリッド車の需要が世界的にも高まり、業績が好調とされています。
 
また、業績連動型の賞与制度を採用している企業が多いことも、支給額が上昇する背景となっています。
 

電気・ガス業

電気・ガス業では、2024年夏季の平均賞与額が88万1533円となっています。インフラ業は生活に欠かせない事業であるため景気に左右されにくく、安定した収益基盤と給与体系がボーナス水準の高さを支えています。
 

金融業・保険業

銀行や保険会社などの金融・保険業界もボーナス水準が高い傾向にあり、2024年夏季賞与の平均支給額は70万3753円に達しています。
 
大手金融機関では投資運用の利益や企業向け融資の増加が支給額に反映されているとされています。特にこの業界では成果連動型のインセンティブが強く、業績に比例してボーナスの振れ幅が大きいのも特徴です。
 

医療・福祉業

医療・福祉業界は2024年の平均夏季賞与支給額が28万2874円と他業種と比べて低めです。特に福祉分野では人材不足が深刻でありながらも、人件費に十分な予算を確保しにくいという産業構造の課題を抱えています。
 
以上のとおり、支給額の高い業界には為替・業績・制度といった明確な要因が存在する一方で、公的性格の強い業種においては収益構造の違いから支給額が低めにとどまる傾向があると考えられます。
 

今後の支給見通しと家計管理のポイント

冬のボーナスの見通しについては慎重な声もあります。円安やエネルギー価格の変動、国際情勢の影響など、不確定要素が多いためです。
 
そのため、ボーナスは「臨時収入」として計画的に使うことが大切です。全額を使ってしまうのではなく、貯蓄や資産形成に一部を回すことで、今後の不測の支出にも対応しやすくなります。2025年夏のボーナスは全体的に増加した企業が多い結果となりました。
 
とはいえ、全業種、すべての規模の企業が同様の恩恵を受けているわけではありません。自身の支給額をうまく活用し、将来に備えた家計管理をしていくことが求められます。
 

出典

帝国データバンク 2025年夏季賞与に関する企業の動向アンケート
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等 統計表 ≪特別集計≫令和6年夏季賞与(一人平均)
一般財団法人労務行政研究所 東証プライム上場企業の2025年 夏季賞与・⼀時⾦(ボーナス)の妥結⽔準調査(2ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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