家計にゆとりがあると感じる世帯年収は「500万円以上」? それだけ稼いでる世帯はどれくらいいる?

配信日: 2025.07.21 更新日: 2025.10.21
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家計にゆとりがあると感じる世帯年収は「500万円以上」? それだけ稼いでる世帯はどれくらいいる?
「家計にゆとりがある」と感じる世帯年収はどれくらいなのでしょうか? ひとつの目安として挙げられているのが「世帯年収500万円以上」です。
 
しかし、物価高や教育費の負担が増すなか、本当に500万円でゆとりを感じられるのでしょうか。この記事では、生活実感や統計データを基に、年収500万円のリアルな生活レベルを探っていきます。
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「家計にゆとりがある」と感じる年収のボーダーラインは?

家族構成や生活スタイルなどによっても異なりますが、一般的に「家計にゆとりを感じる年収」のひとつの目安として挙げられているのが、「世帯年収500万円以上」です。
 
例えば、株式会社ビースタイル ホールディングスが運営する「しゅふJOB総研」が、2024年に「世帯年収とゆとり」をテーマに行ったアンケート調査では、「家計にゆとりを感じるか」についての質問に対し、世帯年収500万円以上の回答者の35.3%が「ゆとりがある」と回答しました。
 
世帯年収500万円未満で「ゆとりがある」と回答した人の割合11.5%と比較すると、3倍ほど多い結果です。
 
「ゆとり」の定義は人によって異なりますが、「急な出費にも対応できる」「趣味や外食にもある程度使える」「教育費や老後資金を無理なく貯められる」といった感覚が共通していると考えられます。
 

実際に「年収500万円以上」の世帯はどれくらいあるか

上記の調査において、ゆとりの基準とされる年収500万円以上の世帯は、どれくらい存在するのでしょうか。厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、日本の世帯年収(所得)の平均は、536万円でした。
 
世帯年収500万円以上の世帯の割合は41.5%であり、平均所得金額より低い世帯の割合は61.9%でした。全体の6割ほどの世帯は平均以下、500万円未満の年収で生活しているという現実があります。
 

年収500万円でゆとりはあるのか、生活費をシミュレーション

仮に世帯年収500万円の2人以上世帯を想定し、年間の手取りを約400万円(所得税・住民税・社会保険料などを考慮)、月額に換算して約33万円としましょう。
 
総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によれば、2人以上世帯における1ヶ月あたりの平均消費支出は30万243円となります。消費支出の内訳を表1にまとめました。
 
表1

支出項目 月額平均
食費 8万9936円
住居費 1万8088円
水道・光熱費 2万3111円
家具・家事用品費 1万2788円
被服および履物費 9985円
保健医療費 1万5348円
交通・通信費 4万1731円
教育費 1万1705円
教養娯楽費 3万240円
その他の消費支出 4万7311円
消費支出合計 30万243円

出典:総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
表1より、2人以上の世帯では1ヶ月で平均30万円ほどの生活費がかかる可能性があり、手取り約33万円では、「ゆとり」というより「普通~やや苦しい」と感じる人も多いかもしれません。
 

世帯年収を増やすための現実的な選択肢は何か

家計にゆとりを持たせるには「支出を減らす」ことも大切ですが、同時に「収入を増やす」ことも有効といえます。特に次のような方法が現実的です。
 
まずは、共働きによる世帯年収アップを考えてみましょう。フルタイムでなくとも、どちらかがパートや在宅ワークで月5~10万円ほどの収入を得られれば大きな補てんになります。
 
また、副業の活用も世帯年収を増やす手段として有効です。昨今は副業を解禁する企業もあり、資格を生かした副業やネットビジネスなど、自分の得意な仕事を収入源に変える動きが促進されています。
 
さらに固定費の見直しは支出を減らすという観点から有効です。生命保険や通信費、サブスクリプション契約や住宅ローン金利などを見直すことで、月数万円のゆとりを生み出せる可能性もあるため検討するとよいでしょう。
 

世帯年収500万円は生活のゆとりを感じられる年収ラインのひとつ

世帯年収500万円は、「家計にゆとりがある」と感じられる年収ラインのひとつとされています。しかし、実際は家族構成や生活環境によって感じ方は大きく異なります。
 
また、厚生労働省の統計データによれば、500万円以上の世帯年収を得ている世帯は全体の約4割であり、決して多数派ではありません。
 
収入が増えれば余裕も増えるとは限りません。支出のコントロールやライフプランを見直しながら、「自分にとってのゆとり」とは何かを考えてみることが大切です。
 

出典

株式会社ビースタイル ホールディングス しゅふJOB総研 子ども多いほど家計にゆとりある傾向/世帯年収500万を境に3倍差
厚生労働省 2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況 II 各種世帯の所得等の状況 2 所得の分布状況(10ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 I 家計収支の概況(二人以上の世帯) 表I-1-1 消費支出の費目別対前年増減率(二人以上の世帯)-2024年-(5ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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