「税金だけで1700万円なんて…」お金持ちほど「節税好き」な理由とは? 庶民が知らない“税金との付き合い方”とは
本記事では、お金持ちがなぜ節税をするのか、お金持ちが節税する方法や、お金持ちになるために意識したいことは何かについて解説します。
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お金持ちほど節税を徹底する理由は「累進課税」
お金持ちはお金を好きなだけ使うイメージがあるかもしれませんが、お金持ちほど自分のお金を手元にできるだけ残すために節税にいそしんでいます。
お金持ちほど節税が重要になる大きな理由は、所得税の超過累進課税です。お金持ちはさまざまな事業を展開していて多くの収入がありますが、年間所得が高い人ほど税金が高くなるのです。
所得金額ごとの所得税率は、図表1のとおりです。
図表1
国税庁 No.2260 所得税の税率
例えば、課税所得が5000万円の人の場合、「5000万円×45%-479万6000円=約1770万円」となり、1700万円以上の大金を納税する必要があります。
一方、経費を多くあげることによって課税所得が4000万円になるとどうでしょうか。
課税所得が4000万円だと「4000万円×45%-479万6000円」が所得税の計算式となり、課税額は1320万円まで圧縮できます。
課税所得を少なくすることで納めるべき税金額が少なくなり、上記の例では節税できた約450万円を事業や金融資産への投資に利用してさらなる資産形成が可能になります。
お金持ちはどのように節税をしているのか
では、お金持ちの人たちは、どのような方法で節税をしているのでしょうか。節税方法は数え切れないほどありますが、中でも代表的なものを2つ紹介します。
不動産投資による節税
お金持ちの人のあいだで効果的な節税方法として、広く知られているのは不動産投資でしょう。
不動産賃貸は、給与所得と違ってさまざまな経費を計上できるため、所得を減らして結果的に所得税を節税できます。例えば、賃貸物件を購入すると「減価償却」という形で毎年少しずつ経費になるため、高額な賃貸物件の購入費用を支払うことで所得を毎年大幅に圧縮することが可能です。
また、不動産賃貸事業が赤字になった場合は、ほかの所得と相殺する「損益通算」ができます。
多額の減価償却や経費計上によって意図的に赤字を作ったうえで、損益通算を行うことで所得金額を引き下げられるのが、お金持ちに不動産投資が人気の理由です。
資産管理会社の設立による節税
お金持ちの場合、自身の資産を管理するために「資産管理会社」を立ち上げることがあります。しかし事業の実態は資産管理のみで、一般的にそれ以外の事業は行いません。
例えば、前記の不動産賃貸の場合、入居者からの家賃は直接オーナーが受け取りますが、資産管理会社があれば家賃収入を会社が受け取り、役員報酬としてオーナーに支払うことが可能です。
所得が分散することによって所得税の節税につながります。
お金持ちを目指すために意識したいこと
お金持ちは普段からさまざまなことを意識しており、なかには平均的なサラリーマンが参考にできることもあるでしょう。
例えば「時間管理の意識」です。お金持ちほど時間を無駄に使わず、すきま時間には自己啓発をしたりスポーツジムで体を鍛えたりします。一方、家事や確定申告などの煩雑な仕事は外注することで、積極的に自分のために時間を空けることができます。
「仕事が忙しくて副業や自己啓発に使う時間がない」と考える人は、自分の成長のために時間を買うという考え方が参考になるのではないでしょうか。
また、お金持ちほど、余ったお金は貯金だけではなく投資にも回します。投資対象は株式や不動産だけでなく、債券や金、暗号資産など多岐にわたるでしょう。リスクをとって積極的に運用することで、貯金のみの人と比較して同じ時間経過でも大きく資産形成ができている可能性があるでしょう。
投資にはリスクもありますが、分散投資や長期投資といった基本的な投資の鉄則を守ることで、大きく資産を減らすことなく長期的な運用が可能になります。
まとめ
お金持ちほど節税に敏感なのは、高額な所得を得るほど所得税率が高くなって納税額が高額になるためです。多くのお金持ちは節税によって手元に残るお金を増やし、さらに投資・運用することで効率的に資産形成をしています。
これから自分の資産を増やしたい人は、「時間を積極的に買う」「貯金ではなく積極的に投資する」というお金持ちのマインドを参考にしてみてはいかがでしょうか。
出典
国税庁 No.2260 所得税の税率
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

