大手企業の夏のボーナスは99万円!? 中小企業の平均はいくら? “もらえる額”にこんなに差があるの?
2025年の夏季ボーナス、確かに大手企業の平均支給額は約99万円と過去最高水準に。一方、中小企業ではその半分以下も珍しくありません。
この記事では、「なぜこんなに差が出るのか」「中小企業の平均額は? 」「自分の会社は多いの?少ないの? 」といった疑問に答えながら、格差をどう受け止め、生活に生かすべきかまで解説します。
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目次
大手企業の夏のボーナスは“99万円超”って本当? その数字の裏側
2025年の夏、大手企業の平均ボーナス額は99万848円。これは経団連が発表した調査結果で、調査対象は従業員500人以上の主要企業107社。製造業が特に好調で、平均103万円超という結果になっています。
一方、非製造業も約85万円で、前年より約3.8%増加しています。賃上げの流れや業績好調を背景に増加しているとされています。
ただし、この数字には注意が必要。あくまで「業績が良い大手企業」のデータなので、全体像とは異なります。誰もが99万円もらえるわけではなく、一部の好業績企業に引っ張られた数値であることを覚えておきましょう。
中小企業のボーナスは平均45万円前後? 実際にもらっている人の声
帝国データバンクの調査によると、全国1,200社超を対象にした結果、正社員1人あたりの平均支給額は約45万7000円。
例えば、都内の建築関連会社で働く30代男性は『手取りは約30万円。家賃とローン返済でほぼ消える』というケースも少なくありません。地方ではさらに低いケースも多く、東和銀行「の中小企業の 2025 年夏季賞与の見通し」によると、製造業の平均支給額は35万1835円、非製造業で37万5827円です。
“ここまで違うの? ”ボーナス格差が生まれる3つの理由
なぜここまで差が出るのか。主な理由は次の3つです。
1.企業の業績と資本力の違い
大手は海外事業や資本投資で収益源が広く、原価高騰の影響を吸収しやすい。一方中小企業は売上規模が小さく、業績悪化が直接ボーナスに響きます。
2.賃金テーブルや賞与制度の違い
大手では「月給〇ヶ月分」といった制度が整っていることが多く、春闘でのベースアップと連動しやすい。中小企業では支給額が業績次第というケースが多く、支給額にばらつきがあります。
3.業種ごとの収益性の違い
例えば、ITや製造業の一部ではボーナスが高めですが、飲食や小売、介護などは平均が低くなりやすいです。
こうした複合的な要因が、「同じ正社員でもここまで差が出る」という現実を生み出しています。
もらえる額より大切なこと。差を知って、前向きに備える方法
ボーナス格差は確かに存在します。大手で約100万円、中小で約45万円、さらには支給ゼロの企業も。これを不公平と感じるのも当然です。
しかし、重要なのは「もらえる額」よりも、「どう使い、どう備えるか」です。
・収入が限られていても、家計簿をつけて支出を可視化することで、使えるお金が見えてきます。
・ボーナスを「ご褒美」だけでなく、自己投資や将来への積立にも充てると、お金はもっと生きた形で役立ちます。
・また、今の待遇に不満があるなら、業績の安定した企業への転職を検討するのもひとつの選択です。
ボーナスは「会社からの評価」であり、同時に「未来への資源」でもあります。自分にとっての価値ある使い方を見つけて、満足度の高い夏にしましょう。
出典
帝国データバンク 2025年夏季賞与に関する企業の動向アンケート
東和銀行 「中小企業の 2025 年夏季賞与の見通し」について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
