「日本の平均年収は460万円」と聞きますが、これは東京や大阪など都市部のみでしょうか?地方在住だと、どれくらいの年収が“平均的”とされるのでしょうか?

配信日: 2025.08.03 更新日: 2025.10.21
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「日本の平均年収は460万円」と聞きますが、これは東京や大阪など都市部のみでしょうか?地方在住だと、どれくらいの年収が“平均的”とされるのでしょうか?
ニュースなどで「日本の平均年収は約460万円」と耳にする機会は多いですが、「自分の年収と比べてどうなのか」「地方在住の自分にも当てはまるのか」と疑問を持つ人も少なくありません。特に地方では、都市部と比べて年収水準が低い傾向があり、460万円という数字に、違和感を覚える方もいるかもしれません。
 
本記事では、都道府県別のデータや“中央値”の考え方をもとに、地方での「平均的な年収」がどれくらいなのかを解説します。
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「日本の平均年収は約460万円」って本当? データの出どころは?

日本の平均年収は、国税庁が公表する「民間給与実態統計調査」をもとに紹介されることが多いです。これは、正社員・契約社員・アルバイトなども含めた給与所得者全体の平均を表しています。
 
令和5年の調査では、全国の給与所得者の1年間の平均給与は約460万円でした。ただし、この数値には年齢や職種、大企業・中小企業の違いなどがすべて含まれています。特に東京都などの都市部では高収入層が多いため、全国平均はそれによって引き上げられている面もあります。
 

国税局別の給与を見ると、東京と地方では大きな差がある

同調査によると、国税局別の平均給与は以下のとおりです。

●札幌:約392万円
●仙台:約379万円
●関東信越:約407万円
●東京:約530万円
●金沢:約415万円
●名古屋:約449万円
●大阪:約458万円
●広島:約402万円
●高松:約393万円
●福岡:約365万円
●熊本:約384万円
●沖縄:約350万円
●全国計:約460万円

このように、東京では平均約530万円と全国でも突出して高い水準ですが、地方では300万円台後半から400万円台前半が中心で、全国平均を下回る地域が多くあります。特に九州・沖縄、東北では、全国平均よりも80万~100万円程度低い水準となっており、都市部との格差が数字にも明確に表れています。
 
この差は、地域ごとの産業の種類や働き方、物価などが影響しています。そのため、年収の数字だけで比べるのではなく、家賃や生活費などの出費もあわせて比べることが大切です。
 

平均より“中央値”を参考にした方が現実に近い

「平均年収」は一部の高収入層の影響を強く受けるため、実際の生活感に近い年収を知るには“中央値”を参考にするのが有効です。中央値とは、「全体を年収順に並べたとき、真ん中の人がどれだけ稼いでいるか」を示す指標です。たとえば全国での年収中央値は約370万~410万円前後とされ、平均より50万~90万円ほど低いのが実情です。
 
地方に限れば、中央値はさらに下がり、350万円前後がボリュームゾーンとなるケースも多く、年齢層や地域差が反映されています。
 

まとめ:地方の“平均的な年収”はもっと低い。“どれだけ暮らせるか”で見るのが大切

「日本の平均年収は約460万円」とされていますが、それは都市部や高収入者も含めた平均であり、実感と大きく異なる場合があります。地域別に見ると300万円台が一般的な年収水準となっていることも珍しくありません。
 
そのため、自分の年収を全国平均と単純に比較して高い・低いと判断するのではなく、居住地域の物価や生活コスト、産業構造、そして中央値といった指標もあわせて考えることが大切です。
 
年収の額面だけにとらわれず、「その地域でどのような生活ができるか」を意識することで、自分の働き方や将来設計について、より現実的な判断ができるようになるでしょう。
 

出典

国税庁長官官房企画課 令和5年分民間給与実態統計調査
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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