定年手前で年収はおよそ「500万円」ほどですが、同年代の知人が「年収700万以上」と知りました…! 50代の正社員男性の平均年収はどのくらいでしょうか?

配信日: 2025.08.09 更新日: 2025.10.21
この記事は約 4 分で読めます。
定年手前で年収はおよそ「500万円」ほどですが、同年代の知人が「年収700万以上」と知りました…! 50代の正社員男性の平均年収はどのくらいでしょうか?
定年が見えてきた50代。これまで仕事一筋で働いてきたなかで、ふと耳にした「同年代の知人の年収が700万円以上」という話を聞いて、驚きや不安を覚えた方もいるのではないでしょうか。
 
例えば、年収500万円程度の人で、知人の年収が700万円と知ったとき、「自分は平均より低いのでは?」と気になるのは当然です。
 
本記事では、厚生労働省や国税庁などの信頼できるデータをもとに、50代男性正社員の平均年収やその背景にある要素を解説し、自分の年収がどの位置にあるのかを把握するヒントをお伝えします。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

50代男性の平均年収は?

国税庁「民間給与実態統計調査(令和5年分)」によると、50〜54歳男性の平均年収は653万1000円、55〜59歳では689万1000円という結果が出ています。これは俸給・給料、手当、そして賞与を合計した金額で、全国的にはこの水準が50代男性の平均的な年収といえます。
 
業種や企業規模によっては700万円を超えるケースもありますが、統計上は650~700万円程度が一つの目安といえるでしょう。
 
ただし、これはあくまで「全体平均」であり、すべての50代男性が650~700万円に近い収入を得ているわけではありません。勤め先の業種や企業規模、職位などによって、実際の年収には大きな差があります。
 

年収の違いを生む3つの要因

では、なぜ同じ50代でも年収に200万円もの開きがあるのでしょうか。主に影響するのは次の3つの要素です。
 

1. 勤続年数と昇進スピード

勤続年数や役職によって、年収は大きく異なります。勤続25年以上の男性かつ管理職に就く方の年収は800万円を超える場合も多く、長年勤めたことによる蓄積が大きく影響します。また、同じ勤続年数でも、主任・課長・部長などといった役職に就いているかどうかでも年収に大きな違いが出ます。
 

2. 業種・職種の違い

「民間給与実態統計調査(令和5年分)」によると、電力・ガス業界では平均年収が775万円、金融・保険業は652万円、情報通信業は649万円など、インフラ系・金融系は全体的に高年収の傾向が見られます。
 
一方で、宿泊業や飲食サービス、小売業は400万円前後と、業界によって収入に大きな差があります。現在の年収が平均より低めでも、業界全体の傾向であれば、特別に低いとは言い切れません。
 

3. 勤務地や企業規模

大都市圏と地方では、同じ業種でも給与水準に差があります。例えば、東京都内の企業に勤める人の年収は全国平均よりも高くなる傾向があります。また、従業員1000人以上の大企業と中小企業では、同一職種でも100万円以上の差が生じることも珍しくありません。
 

感覚的な比較ではなく、正確な把握が大切

知人が「年収700万円以上」と言っていたとしても、賞与を含めた金額か、残業代込みか、あるいは副業収入まで含んでいるのかは分かりません。人によって年収の定義や認識が異なるため、感覚的な比較だけで自分の立ち位置を判断するのは危険です。
 
まずは、自身の「基本給」「賞与」「残業手当」など、実際の年収構成を整理して、どこに伸びしろがあるかを確認しましょう。あわせて、自社の評価制度や昇進ルールを把握しておくことで、将来的な年収アップの可能性を見い出せるかもしれません。
 

副業・転職・再雇用…これからできる選択肢も

50代でも、「もう定年が近いから手遅れ」と考える必要はありません。今は副業を解禁している企業も増えており、スキルや経験を生かして収入源を増やすことも可能です。また、50代の転職市場も以前より活発になっており、専門性やマネジメント経験を求める企業は一定数存在します。
 
さらに、定年後の再雇用制度を利用して65歳以降も働き続けることで、トータルの生涯収入を増やすこともできます。現在の収入だけでなく、これからの働き方全体を見直してみることで、不安を希望に変えることも十分可能です。
 

年収の「差」にとらわれすぎず、自分の選択肢を見つけよう

「民間給与実態統計調査(令和5年分)」の調査結果から、50代男性の平均年収は約650~700万円とされていますが、これはあくまで全体平均であり、実際には職種や企業規模、地域によって差があります。年収500万円は決して珍しい数字ではなく、特定の条件下ではごく標準的ともいえます。
 
知人との比較で落ち込むのではなく、「自分はどんな働き方をしたいか」「これからどう備えるか」を見つめ直すことで、収入だけでない“価値あるキャリア”を築いていける可能性は十分にあります。焦らず確実に、今からできることを一つずつ進めていきましょう。
 

出典

国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問