日本の「平均手取り」は1世帯あたり約450万円!平均を上回る世帯の割合は?中央値はどれくらい?

配信日: 2025.08.12 更新日: 2025.10.21
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日本の「平均手取り」は1世帯あたり約450万円!平均を上回る世帯の割合は?中央値はどれくらい?
自分の世帯収入が日本の中でどの位置にあるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。日本の世帯あたりの手取り収入は平均で約450万円ですが、実はこの「平均」と、現実に多くの人が感じる「一般的な水準」にはズレがあります。
 
本記事では、平均手取りの内訳や中央値、平均以上の世帯がどれくらい存在するのかについてわかりやすく解説します。
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平均手取り額は「約450万円」! そもそもどう計算される?

金融広報中央委員会が運営する「知るぽると」の「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)」によると、1世帯あたりの年間手取り収入は451万円です。この「手取り収入」は、給与・年金・事業所得などから税金・社会保険料などを引いた後の実際に使えるお金を示しています。
 

「平均を上回る世帯」はどのくらい? 上位と下位の実態

では、手取り収入が平均の451万円以上ある世帯はどのくらい存在するのでしょうか?
 
手取り収入別の割合は図表1のとおりです。
 
図表1

手取り収入 割合
収入はない 5.5%
300万円未満 30.9%
300~500万円未満 26.5%
500~750万円未満 21.5%
750~1000万円未満 7.7%
1000~1200万円未満 3.5%
1200万円以上 4.4%

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)」をもとに筆者作成
 
手取り収入が平均を上回る(500万円以上)世帯の合計は全体の37.1%です。
 
逆にいえば、手取り収入が500万円未満の世帯は全体の62.9%を占めています。この中には、平均値である451万円前後の層も含まれますが、大多数の世帯が「平均付近かそれ以下」の水準で生活しているという傾向が見て取れます。
 
このギャップが生まれる背景には、一部の高所得世帯が平均値を押し上げているからです。とくに、手取り収入が1000万円を超える世帯が全体の7.9%あるため、「平均」と聞いて思い浮かべるイメージよりも、実態はもっと格差のある分布になっています。
 

中央値はどれくらい? “平均”との違いに注目

世帯の実態を把握する際には、「平均」よりも「中央値」を参考にしたほうが現実に即している場合があります。中央値とは、すべてのデータを小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる値のことです。
 
同調査では、世帯の年間手取り収入の中央値は380万円とされています。
 
つまり、「日本の世帯の半分は、手取り380万円未満で暮らしている」ということになります。
 
このように、平均(451万円)と中央値(380万円)には71万円の差があることからも、一部の高所得世帯が平均を引き上げていることがわかります。そのため、自分の手取りが「平均に届いていない」としても、全体の分布から見ればごく一般的な水準である可能性は十分にあるのです。
 

まとめ

世帯あたりの平均手取り収入は451万円、中央値は380万円です。この数字から見えてくるのは、「平均」と「実感」が必ずしも一致しないという現実です。
 
多くの人が平均に届かずに生活している一方で、上位層が平均値を押し上げているという構図が、収入の実態をわかりにくくしています。収入に関する指標を見るときは、平均値だけでなく中央値や分布のバランスもあわせて確認することが大切です。
 
そして何より、「平均と比べて多いか少ないか」よりも、「自分の生活にとって十分か」「将来設計に無理がないか」という視点で、家計や働き方を考えることが重要なのではないでしょうか。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和5年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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