娘が看護師を目指しており、家の近くのクリニックで働きたいそうです。「大学病院」のほうが給料はよいと思うのですが…違いはないのでしょうか?
本記事では、クリニックと大学病院の給与や勤務環境の違いを比較し、将来を見据えた職場選びのヒントをお届けします。
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クリニックと大学病院、看護師の給料はどれくらい違う?
看護師の平均年収は勤務先によって差があります。厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば、職員が1000人以上の病院に勤務している看護師の平均月給は38万7700円、100~999人の場合は35万1000円、10~99人の場合は32万9100円です。
また、賞与も規模によって異なります。1000人以上は年間賞与が99万6000円、100~999人は73万8200円、10~99人は64万7200円となっています。
これらを合計すると年間の収入差は数十万~100万円ほどになることもあります。
ただし、この差がそのまま生活の満足度や働きやすさにつながるとは限りません。次に勤務環境の違いを見てみましょう。
勤務形態・仕事内容・福利厚生の違い
クリニックは外来診療が中心で、日勤が基本です。夜勤や当直はほとんどなく、規則正しい生活を送りやすいのが特徴です。業務内容は採血、点滴、診療補助、カルテ整理、受付や電話対応など幅広く、スタッフ数が少ないため臨機応変な対応が求められます。患者さんとの距離が近く、地域医療に貢献できるやりがいもあります。
大学病院は24時間体制の病棟勤務があり、夜勤やシフト勤務が基本です。配属先は内科、外科、集中治療室など専門性が高く、最先端医療に携わる機会が豊富です。
研修や勉強会も充実しており、スキルアップを目指す人には理想的な環境です。福利厚生も整っており、住宅手当、寮、院内保育所、保養施設の利用など、長期的に働きやすい仕組みが整備されている病院も多くあります。
子どもの希望と将来像から考える選び方
生活リズムの安定や家庭との両立を重視するなら、夜勤の少ないクリニックが向いています。近所で通勤時間が短ければ、その分プライベートの時間も確保できます。
一方で、専門性を高めたい、キャリアアップを目指したい、将来認定看護師や専門看護師を目指したい場合は大学病院が適しています。最先端医療の現場で経験を積めば、将来転職や昇進の際にも有利です。
また、若いうちに体力的にハードな環境で経験を積み、その後ライフスタイルの変化に合わせてクリニックへ転職するというキャリアパスも珍しくありません。看護師資格は職場を選び直せる強みがありますから、最初の選択が一生を決めるわけではないことも覚えておくと安心です。
まとめ:給料だけでなく、働き方も含めて選ぼう
大学病院は給料や福利厚生、スキルアップの機会に恵まれており、長期的なキャリア形成には有利です。一方、クリニックは規則正しい生活や地域密着のやりがいがあり、働きやすさも大きな魅力です。
大切なのは、給料だけで判断せず、お子さんがどんな働き方を望み、どんな看護師になりたいかを一緒に考えることです。職場選びは人生の大きな決断ですが、看護師という資格があれば将来の選択肢は広がります。焦らず、納得できる道を選びましょう。
出典
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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