最低賃金に関するニュースをよく目にするけど、日本の「平均年収」ってどれくらいなの? やはり大手企業のほうが“年収が高い”のか解説

配信日: 2025.08.15 更新日: 2025.10.21
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最低賃金に関するニュースをよく目にするけど、日本の「平均年収」ってどれくらいなの? やはり大手企業のほうが“年収が高い”のか解説
最低賃金のニュースは連日のように報じられていますが、「自分の年収って、全国的に見てどれくらいなの?」と気になったことはありませんか? 実は、日本の平均年収は約460万円とされています。ただし、企業規模や業種、そして男女間で大きな差があるのが現実です。
 
本記事では、その最新データを詳しく見てみましょう。
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最低賃金が大きく引き上げ、全国で1000円超え時代へ

2025年度の最低賃金が大幅に引き上げられることが発表されました。
 
厚生労働省の発表によると、仮に目安通りにそれぞれの都道府県で引き上げが行われた場合の2025年度の全国加重平均は時給1118円となり、前年から63円の引き上げ、伸び率は6.0%に達しています。
 
これは1978年度に目安制度が始まって以降で過去最大の増加幅であり、地域別でも全都道府県で時給1000円以上という新たな水準に到達しました。
 
最低賃金の継続的な改定は、物価高と人手不足の影響を受けて、働く人々の生活向上や雇用環境の改善を目指して行われています。実際、経済状況が厳しい中でも賃金の引き上げを図る流れが加速しています。今後は「賃金水準の底上げ」が期待され、非正規雇用を含む多くの労働者にとって追い風となるでしょう。
 

日本の平均年収は約460万円、大手企業との差は?

では、実際の日本人の平均年収はどれくらいなのでしょうか。国税庁長官官房企画課が公表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」によれば、2023年における1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は459万5000円です。内訳を見ると、男性は568万5000円、女性は315万8000円であり、男女の格差も依然として存在しています。
 
また、事業所規模による違いも大きく、従業員数が多い企業ほど年収が高い傾向にあります。2023年中に民間の事業所が支払った給与総額は前年比0.7%増の232兆9072億円に達しました。
 

上場企業の平均年収は約671万円、業種別で大きな差

一方で、大手企業、特に上場企業の給与水準は一般企業と比べて高水準です。株式会社帝国データバンクの「2024年度決算 上場企業の『平均年間給与』動向調査」によると、上場企業の2024年度平均年間給与は671万1000円で、過去20年で最高値を更新しました。
 
産業別にも違いがあり、例えば製造業の平均は681万2000円と前年比3.1%増となっています。業績回復や人手不足、物価高騰を背景に、企業側も積極的に賃金を引き上げる動きが強まっています。上場企業では、福利厚生や昇給制度も充実している傾向にあるため、安定した収入を得たいと考える人にとっては魅力的な就職先といえるでしょう。
 
ただし、平均年収の上昇には企業規模や業種による違いが大きく影響しており、すべての働く人が恩恵を受けるとは限らない現状もあります。
 

まとめ

最低賃金の引き上げや平均年収の増加、上場企業の高収入など、日本の給与水準は上昇傾向にあります。しかし、男女差や企業規模・業種による格差、非正規雇用者の待遇など、課題も依然として残っています。
 
今後は最低賃金改定や企業の賃金引き上げ策を生かし、働く個人が自分の希望するライフスタイルやキャリアを築ける環境づくりがますます重要になるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について
国税庁長官官房企画課 令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告- I 民間給与の動向 2 給与総額及び税額(11ページ)、II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(15ページ)
株式会社帝国データバンク 上場企業の「平均年間給与」動向調査(2024年度決算)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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