【給付金vs減税】一律2万円給付より「住民税3ヶ月ゼロ」のほうがお得?「350万・500万・800万」年収別シミュレーションで判明した“驚きの差額”とは

配信日: 2025.08.16 更新日: 2025.10.21
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【給付金vs減税】一律2万円給付より「住民税3ヶ月ゼロ」のほうがお得?「350万・500万・800万」年収別シミュレーションで判明した“驚きの差額”とは
政府が検討する「2万円給付」。お金がもらえてうれしいと思う半面「住民税3ヶ月ゼロ」のほうがお得かもしれない、と考えたことはないでしょうか。

本記事では、年収350万円、500万円、800万円の場合に分け、2万円給付と住民税3ヶ月免除でお得になる金額を試算しました。すると、独身者と子育て世帯で10万円以上の差が生まれることが見えてきます。あなたの家庭ではどちらがお得なのか、具体的な金額でチェックしてみましょう。
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物価高対策で一律2万円給付検討? 低所得・子育て世帯は4万円

2025年6月23日、石破茂首相は官邸会見で、物価高に対応するため国民1人あたり2万円を現金給付する方針を発表しました。さらに、住民税非課税世帯の大人や18歳未満の子どもは1人あたり4万円の給付金となる予定です。
 
財源には税収上振れ分(予想より多く集まった税金:約1.8兆円)と、税外収入(国の基金からの返納金など)の上振れ分(予想約0.7兆円)を充当する予定となっています。
 

SNSで飛び交う賛否両論の声

石破首相が「2万円給付」を会見で表明した後、SNSでは会見に関連する投稿が数多くみられました。
 
給付を喜ぶ声として「2万円給付! うれしい」といったコメントもある一方で、批判的な意見も相次いでいます。「給付金より減税してほしい」「一時的なものじゃなくて恒久的な減税を」という要望や、「選挙目当てのばらまき」という厳しい批判も出ていました。
 
このような状況を受けて、「給付と減税、どちらが得なのか?」という疑問を持つ人が多いようです。
 

年収別シミュレーションで判明! あなたの場合は給付金と住民税減税どちらがお得?

「全国民一律2万円給付(子どもや非課税世帯の大人は4万円)」と住民税が3ヶ月全額免除に関しては、年収や家族構成によって手取り増加額が大きく異なります。年収350万円・500万円・800万円のケースで、それぞれ独身、夫婦のみ(配偶者は扶養内)、4人家族(配偶者は扶養内、18歳未満の子どもが2人)の3パターンで試算してみました。

※社会保険料控除・生命保険料控除などは入れていません。
※住民税は所得割(所得にかかる住民税)のみとしています。
 

年収350万円の場合

●独身:減税約5万円vs給付2万円→減税のほうが3万円お得
●夫婦のみ:減税約4万円vs給付4万円→ほぼ同じ
●4人家族:減税約4万円vs給付12万円→給付のほうが8万円お得

低所得世帯では、18歳未満の子どもが多いほど給付金のほうが有利になることが分かります。
 

年収500万円の場合

●独身:減税約7.5万円vs給付2万円→減税のほうが5.5万円お得
●夫婦のみ:減税約6.5万円vs給付4万円→減税のほうが2.5万円お得
●4人家族:減税約6.5万円vs給付12万円→給付のほうが5.5万円お得

平均年収に近い層では、独身や夫婦のみ世帯は減税有利、子育て世帯は給付有利という結果になりました。共働きなら世帯合計の減税額はさらに増加します。
 

年収800万円の場合

●独身:減税約14万円vs給付2万円→減税のほうが12万円お得
●夫婦のみ:減税約13万円vs給付4万円→減税のほうが9万円お得
●4人家族:減税約13万円vs給付12万円→減税のほうが1万円お得

高所得層では圧倒的に減税されたほうが有利です。4人家族でも減税のほうが1万円以上お得という結果になりました。
 

独身vs子育て世帯で激変! 10万円の差が生まれるカラクリ

試算から見えてきたのは「独身で高所得であるほど減税のほうが有利」で、「低所得で子どもが多い世帯であるほど給付のほうが有利」という明確な傾向です。
 
例えば、年収800万円の独身者は減税で12万円分得をするのに対し、年収350万円の4人家族は減税されるのが4万円にとどまり、高所得者に有利な仕組みといえます。一方、給付金を採用すると独身者は2万円がもらえるのみですが、18歳未満の子どもが2人いる世帯は年収を問わず12万円もらえるので、子育て世代に有利です。
 
さらに注目すべきは、非課税世帯の存在です。住民税を払っていない世帯は減税の恩恵が全く及ばず、給付金でしか支援を受けられません。
 

あなたの家庭ではどちらがお得? 今すぐチェック!

2万円給付と住民税の3ヶ月免除の、どちらが家計にプラスになるかは、年収と家族構成によって大きく変わることが分かりました。
 
現在、政府が検討している2万円給付については、今後詳細な制度設計が発表される見込みです。物価高が続く中、家計への影響は決して小さくありません。まずは今回の試算を参考に、自身の家計で給付金がどの程度プラスになるか把握し、今後の税制改正の動向にも注目していきましょう。
 

出典

首相官邸 石破内閣総理大臣記者会見
内閣府 第9回記者会見要旨:令和7年 会議結果
総務省 個人住民税
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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