子どもの勤める会社はボーナスの支給がないそうです。今は「賞与なしの会社」も「珍しくない」のでしょうか?
そこでこの記事では、ボーナスを支給する会社の割合や、ボーナスを出さない企業がなぜ増えているのかといったことについて解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
ボーナスを支給する会社の割合
ボーナスがない会社に対して「何か問題があるのでは」と不安を抱く人もいるかもしれません。しかし、実際にはボーナスを支給しない企業は少なくありません。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によれば、令和4年(2022年)時点で夏季ボーナスを支給した事業所の割合は66.8%、年末賞与は70.5%でした。逆にいえば、夏は約3・3割、冬は約3割の企業が賞与を出していないことになり、中小企業ではこの傾向がさらに顕著になるようです。
また、ボーナスの有無は企業の規模や業績だけではなく、「制度としてそもそも設けていない」ケースも増えてきています。年俸制や職務給制度が広まる中で、従来の年2回の賞与という形にこだわらない企業も出てきています。
ボーナスを出さない企業が増えている?
ボーナスは法律で義務付けられているものではありません。労働基準法にも「賞与の支給義務」は明記されておらず、支給するかどうかは企業の裁量に委ねられています。
ボーナスなしの企業が増えている背景には、企業の人件費管理の合理化が理由の一つとして考えられます。業績によって大きく左右されるボーナスよりも、年間報酬を一定額で設計できる年俸制を導入することで、採用の柔軟性を高めたり、人件費の予測可能性を上げたりすることができます。
スタートアップや外資系企業、ITベンチャーなどでは、そもそも賞与制度を設けず、その分を基本給に上乗せしたり、ストックオプションなどのインセンティブ制度に置き換えたりしているケースも増えているようです。
ボーナスがなくても大丈夫? 生活設計と企業側の工夫
「ボーナスがない」と聞くと、収入が少ないと感じてしまいがちですが、重要なのは「年間収入の設計」です。企業によっては、ボーナスがない代わりに基本給が高く設定されており、実質的な年収は同水準、またはそれ以上となることもあります。
また、賞与がない分、生活設計がしやすいという利点もあります。ボーナスは変動性があるため、もらえるかどうかに左右されずに毎月の収入で生活設計ができる点は、特に若い世代にとっては安心材料になることもあるでしょう。
加えて、企業側も福利厚生の充実やキャリア支援制度、テレワークの導入、柔軟な働き方の提供などを通じて、賞与に代わる魅力を打ち出していることもあります。報酬だけでなく、「働きがい」や「環境」も重視する価値観に応えるかたちです。
ボーナスなしの会社は珍しくない
かつては当たり前だった賞与も、今では必ずしも全員に支給されるものではなくなりました。令和の時代では約3割の企業が賞与を支給してないという統計結果は先に見た通りです。子どもが勤める会社にボーナスがないと聞いても、それが必ずしも悪いこととは限りません。制度の違いを理解し、総合的な報酬や働き方で評価する視点を持つとよいでしょう。
出典
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和4年9月分結果速報等
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和5年2月分結果速報等
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
