「住民税非課税世帯」で“10万円給付”も…対象になる年収ラインとは
そこで本記事では、住民税非課税世帯の概要と対象になる条件について解説します。
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住民税非課税世帯とは
日本にはさまざまな税金がありますが、そのひとつが住民税です。住民税は居住している都道府県や市区町村に納める税金で、教育や福祉、ゴミ処理など、公共事業を運営するための費用に充てられます。
住民税は、所得割と均等割の2種類に大別されます。所得割とは、所得額に一定の税率をかけて納税額が算出される税金であるため、納税額は人によって異なります。一方の均等割は、所得額に関係なく、納税額が決められている税金です。
住民税は所得額が一定以下の場合に非課税になりますが、対象となる世帯を一般的に住民税非課税世帯と呼びます。なお、住民税における非課税には「所得割のみが非課税」と「所得割と均等割の両方が非課税」の2パターンがありますが、住民税非課税世帯は両方が非課税になることを指すことが一般的です。
所得割と均等割が非課税になる条件
練馬区によると、所得割と均等割の両方が非課税になる条件は以下の通りです。
●生活保護法に基づいた生活扶助を受けている
●障害者、未成年者、寡婦もしくはひとり親であり、前年中の合計所得金額が135万円以下
●同一生計にある配偶者や扶養親族がいない場合、前年中の合計所得金額が45万円以下
●同一生計にある配偶者や扶養親族がいる場合、前年中の合計所得金額が35万円×(本人、同一生計配偶者、扶養親族の合計人数)+31万円以下の場合
合計所得金額とは、給与所得や事業所得、不動産所得などを合計したものです。このうち給与所得は、収入金額から給与所得控除の金額を引いたものです。
令和7年度の税制改正によって、給与収入が190万円以下の場合は住民税における給与所得控除額が65万円になります。
これを踏まえると、同一生計にある配偶者や扶養親族がいない場合は、前年中の給与収入が110万円以下であれば住民税の非課税世帯になります。同一生計にある配偶者などがいる場合、給与収入が166万円以下(概算)であることが住民税非課税世帯になる条件です。
住民税非課税世帯が受けられる優遇措置
住民税非課税世帯は住民税以外にも、さまざまな優遇措置を受けられます。ここからは、そのうちのいくつかを紹介します。
授業料や入学金が減免される
高等教育における就学支援制度を利用することで、授業料や入学金の減免が受けられます。高等教育に該当するのは、大学や専門学校などです。支援を受けるためには、所定期日までに申請しなければなりません。減免される金額は、世帯収入や住居形態、進学先などによって異なります。
高額療養費制度の自己負担限度額が低くなる
高額療養費制度とは、1ヶ月間の医療費が自己負担限度額を超えた場合に、超過分が返ってくる制度です。この制度を活用することで、高額になった医療費の負担を軽減できます。
自己負担限度額はおのおのの所得額や年齢によって異なりますが、住民税非課税世帯の場合はその金額が低く設定されており、70歳未満であれば3万5400円です。
給付金の支給対象になる
日本では経済状況に合わせて給付金が支給されることがあります。種類や受給条件はさまざまですが、住民税非課税世帯であることが受給の条件になることは少なくありません。すべての給付金の対象になるわけではありませんが、経済的な支援を受けられる場合があるでしょう。
単身者の場合は年収110万円
同一生計にある配偶者や扶養親族がいない場合、前年の年収が110万円以下であれば住民税非課税世帯になります。
住民税非課税世帯は住民税の支払いが免除される以外にも、さまざまな優遇措置を受けられます。代表例のひとつが、高額療養費制度の自己負担の引き下げです。70歳未満であれば、その金額は3万5400円です。気になる方はほかにどのような措置があるのか、確認してみるのもよいでしょう。
出典
横浜市 令和7年度税制改正(いわゆる年収の壁への対応)の概要
練馬区 住民税が課税されない場合
江戸川区 高額療養費 自己負担限度額
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
