国家公務員の「夏のボーナス」は前年度よりも増加した?“やりがい”を感じている人はどのくらいいる?
ニュースなどでは、民間における夏のボーナスが伸びていると報道されているため、民間のボーナスを参考にしている国家公務員のボーナスも増加していると考えるかもしれません。
本記事では、2025年度に国家公務員が受け取る夏のボーナスについて解説します。また、公務員はしばしば「安泰」と言われますが、実際のところ「やりがい」のある仕事とみなされているか、現場の声もご紹介します。
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目次
2025年の国家公務員の夏季ボーナスは昨年より大幅増額
内閣官房内閣人事局によると、2025年(令和7年)の国家公務員の夏季ボーナスは「約70万6700円」でした。これは一般職国家公務員の平均支給額です。計算の内訳は以下の通りです。
・支給月数:2.26ヶ月
・平均給与額:約31万2700円
支給月数に平均給与額を乗じた額が、平均支給額です。
昨年2024年(令和6年)の夏季ボーナスは「約65万9400円」でした。昨年同期と比較すると、今年2025年は約4万7300円も増加しています。増加率は約7.2%であり、大幅に増加した形です。
内閣官房内閣人事局は増加の理由として、給与法改正などにより支給月数が増加したこと、また俸給増額によって平均給与額が増加したことなどを挙げています。
国家公務員は収入に満足している?
民間企業のなかには、ボーナス制度がないところもあります。それに対して、国家公務員は定期的にボーナスを支給されているため、民間と比べて給与面で恵まれていると考える人は少なくないでしょう。
しかし、国家公務員が収入面でやりがいを感じているかというと、必ずしもそうとは限らないようです。
同じく内閣官房内閣人事局が発表した「令和6年度 国家公務員の働き方改革職員アンケート結果」によると「継続して今の職場に勤めたい」と回答した人は5割近くに上りましたが、勤務継続に不安がある非管理職の職員は全体で30.8%いました。また、数年以内に離職しようと考えている人は9.8%です。
内訳を見ると、勤務継続に不安があると感じている年代は「30代」が最も多く、女性は男性よりも不安を感じている率が高い結果です。離職意向を有している職員は、男性・女性ともに「30歳未満」に最も多くその傾向が見られました。
また「収入が低いこと」は、勤務継続に不安がある理由として全体の4番目、離職意向の理由として全体の6番目に挙げられています。国家公務員の収入が魅力的と感じていない人は、少なからずいるようです。
ボーナスはやりがいに影響を与える?
ボーナスは、基本給与とは別に支給されるものであるため、国家公務員にとって大きなモチベーションになると思われるかもしれません。もちろん支給されない民間企業があることを踏まえると、仕事にやりがいを感じさせる一因となる可能性があります。
しかし、日本におけるボーナス制度は、必ずしもやりがいにつながらないとする意見もあります。ボーナス制度がある企業の場合、ボーナスは臨時金というより、もともと支給が見込まれており、いわば給与の一部としてみなされることがあるようです。
もし、毎年ほぼ同額のボーナスが支給されるのであれば、それだけで職員のモチベーションが大きく向上するとは限りません。
2025年の国家公務員の夏季ボーナス平均支給額は「約70万6700円」
2025年の一般職国家公務員の夏季ボーナス平均支給額は「約70万6700円」であり、前年同期と比較して約7.2%の大幅増額となりました。
民間企業のなかにはボーナスが支給されない事業所もあり、それを考えると夏と冬のボーナスが支給される国家公務員は「安定的」と言えるかもしれません。
ただし、収入について不安を感じていたり、離職を考えていたりする職員が一定数いる現状もあります。今後の賃上げが、職員のモチベーション向上に影響する可能性があるでしょう。
出典
内閣官房内閣人事局 令和7年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給(1ページ)
内閣官房内閣人事局 令和6年度 国家公務員の働き方改革職員アンケート結果(8~10ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
