38歳で中間管理職に昇進し、年収は「520万円」に。昇格前は「480万円」ほどでした。昇進後の年収としてはこの程度が一般的でしょうか?
本記事では、38歳前後の平均年収データや役職別の相場をもとに、年収520万円という水準をどう評価できるのかを解説します。
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38歳・管理職で年収520万円。この水準は一般的か?
結論からいうと、38歳で管理職になり年収520万円というのは、全体平均と比べれば高めの水準です。国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、35~39歳の平均年収は男性が556万円、女性が336万円、全体で466万円とされています。
また、パーソルキャリア株式会社が運営する「転職サービスdoda」が公表している「年齢・年代別の平均年収の調査データ」によると、38歳全体の平均年収は482万円で、中央値は440万円です。
したがって、年代別の全体と比べると、520万円は高めに感じられます。ただし、管理職といっても役職の区分によって水準は変わるため、次に役職別のデータを確認してみましょう。
役職別のデータで見る平均年収
「管理職」と一口にいっても、その中身は大きく異なります。課長代理・係長級を「中間管理職」と呼ぶ企業もあれば、課長以上を指す場合もあります。ポジションの定義によって給与水準は変わるため、単純に比較はできません。
こうした違いを踏まえ、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに、役職別のデータを確認してみましょう。
・係長級の平均月給:38万5900円
・課長級の平均月給:51万2000円
・部長級の平均月給:62万7200円
ボーナスを考慮せず、単純に12ヶ月分をかけて年収を試算した場合、係長級は約463万円、課長級は約614万円、部長級だと約753万円です。この数値からすると、年収520万円というのは係長級と課長級の中間にあたります。
評価の仕方は企業や業界によって変わり、大企業の課長級と比べれば控えめですが、中小企業や地方企業では高水準と受け止められることも少なくありません。つまり、同じ520万円でも所属する環境によって見え方は大きく異なるのです。
なぜ同じ年代・役職でも年収に差が出るのか
同じ38歳の管理職でも、年収が大きく異なるのは珍しくありません。その背景にはいくつかの要因があります。
まず大きいのが業界の収益性です。金融や商社、ITのように利益率が高い業界では、管理職の年収は比較的高めに推移する傾向があります。一方で、小売やサービス業では、同じ役職でも水準が抑えられるケースが多く見られます。
次に企業規模の影響も無視できません。大企業では昇進とともに役職手当や賞与が手厚く、同世代でも年収がぐんと高くなります。逆に中小企業では役職手当が小さいこともあり、昇進しても年収が思ったほど伸びないケースがあります。
さらに、給与体系も要因の一つです。管理職になると残業代が支給されなくなる代わりに役職手当が付く場合や、業績連動型の賞与が収入に大きく影響する場合もあります。
こうした制度の違いによって、同じ「年収520万円」が「十分に高い」と評価される人もいれば、「まだ伸ばせる余地がある」と感じる人もいるのです。
まとめ
38歳で管理職となり年収520万円に到達したのは、統計データと比べれば平均以上であり、低い水準ではありません。ただし、役職や企業規模、業界によって基準は変わるため、一概に評価することはできません。
大切なのは、数字だけでなく自分が属する業界や会社の相場と照らし合わせ、立ち位置を正しく理解することです。そのうえで昇進や転職で待遇改善を目指すのか、ワークライフバランスを優先するのか、キャリアの方向性を見据えて考えることが重要です。
年収520万円をどう評価するかは人それぞれですが、自分の現在地を知ることが今後の働き方を考える第一歩になります。
出典
国税庁長官官房企画課 令和5年分民間給与実態統計調査
パーソルキャリア株式会社 転職サービスdoda 平均年収ランキング(年収中央値の情報)【最新版】
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
