「歯科医師」は高収入のイメージがありますが、開業するとどれくらい稼げるのでしょうか?
本記事では、歯科医師の平均年収や経験年数による年収の違い、さらに開業医と勤務医の年収の違いについて解説します。歯科医師として年収アップする方法も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
歯科医師の年収は?
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、歯科医師の給料は以下の通りでした。
・所定内給与額:67万1100円
・年間賞与その他特別給与額:89万3400円
この金額から年収を計算してみると、894万6600円となります。
歯科医師の年収は経験年数によって異なる?
歯科医師の年収は、経験年数によって変わるのか気になる方もいるでしょう。同資料によると、歯科医師の経験年数別の年収は表1の通りでした。
表1
| 経験年数 | 年収 |
|---|---|
| 0年 | 287万4000円 |
| 1~4年 | 653万9300円 |
| 5~9年 | 900万1800円 |
| 10~14年 | 1308万5300円 |
| 15年以上 | 1081万2200円 |
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
10~14年で年収は一番高くなり、それまでは上がり続けることが分かります。しかし、15年以上になると年収は低くなるようです。平均年収のため一概にはいえませんが、ある程度経験年数を積むまでは年収は上がり続けますが、積めば積むほど年収が高くなるわけではないといえそうです。
歯科医師の年収は開業医と勤務医で違う?
厚生労働省の「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)」によると、歯科診療所における開業医(医療法人院長)と勤務医の年収は以下の通りでした。
・院長:1527万9492円
・勤務医:703万9931円
開業医と勤務医で年収が800万円以上違うことが分かります。ただし、勤務医も勤務している歯科診療所の経営形態によっては上記年収よりも高くなるケースもあります。また、開業医の年収は事業所得となるため、経営状況によって変動するでしょう。
歯科医師が年収を上げる方法
歯科医師として収入アップを目指す方法は、いくつかあります。単純に「長く働けば給料が上がる」というものではなく、自らのスキルや役割、働く環境をどう選ぶかによって収入の幅は大きく変わってきます。
例えば、まず有効なのは自由診療の技術を磨くことです。保険診療に比べて利益率が高い自費治療を提供できると、患者1人あたりの収益は大きくなります。インプラントや審美歯科、矯正などはその代表で、これらを求める患者が多い地域で実績を積むことで、安定的に高収入につながるでしょう。
次に、マネジメント職である分院長を目指す方法もあります。分院長は診療だけでなくスタッフ管理や医院運営にかかわるため責任は重くなりますが、その分役職手当や歩合がつき、勤務歯科医師としてはトップクラスの年収水準になります。
経営リスクを背負わずに院長経験が積める点も、キャリア形成において大きな価値があるでしょう。
また、地域のニーズに合った職場へ転職することも収入アップに直結します。高齢者が多い地域では入れ歯やインプラント、都市部では審美歯科やホワイトニングの需要が高いなど、エリアごとに強みを持つ医院があります。
その需要に対応できる職場を選べば、患者数も自費診療の機会も増え、収入面で有利になるでしょう。
そして、独立開業するのもひとつの方法です。開業には多額の初期投資や経営リスクがともないますが、成功すれば勤務医時代の数倍の収入を得ることも可能です。医院の立地や経営戦略次第では、年収数千万円規模に到達するケースもあり、夢を持って目指す価値があります。
このように、年収を上げる方法は1つではなく、それぞれに求められるスキルや覚悟が異なります。自身のキャリアビジョンやライフスタイルと照らし合わせ、最適な選択をしていくことが重要だといえるでしょう。
歯科医師が開業すると1000万円以上稼げる可能性がある
歯科医師は高収入というイメージがありますが、実際には経験年数や働き方によって年収は大きく変動します。勤務医は安定した収入を得られる一方、開業医は高収入の可能性があるものの、経営リスクもともないます。
また、自由診療の導入や分院長への昇進、地域ニーズに合った転職などをすることで、年収アップが期待できるでしょう。大切なのは、自身のライフプランやキャリアの方向性に合わせて、どの選択肢を取るのかを見極めることだといえるでしょう。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号14 職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 第24回医療経済実態調査(医療機関等調査) 報告 全体版(307ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
