70歳の母が「非課税世帯だけ給付金を受けられるみたいよ」と話していました。非課税世帯で実際に年収どれぐらいの人が当てはまるのでしょうか?
この記事では、非課税世帯の定義や該当する年収ライン、対象になった場合にどのような支援があるのかを分かりやすく解説します。
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目次
非課税世帯とは? 所得税と住民税の違いに注意
「非課税世帯」とは、主に住民税(市町村民税)が課税されていない世帯を指します。注意すべきなのは、「所得税がかからない=非課税世帯」ではないという点です。
例えば、年金収入がある高齢者の場合、所得税は課税されていなくても住民税は課税されているというケースもあるようです。各種給付金制度で対象となる「非課税世帯」とは、「住民税が非課税の人のみで構成された世帯」です。そのため、世帯全体に住民税課税者が一人でもいれば、その世帯は非課税世帯とはみなされないでしょう。
非課税世帯の年収目安は?
具体的にどの程度の年収であれば非課税世帯に該当するのでしょうか。自治体や家族構成によって若干の違いがありますが、主な目安について紹介します。
単身世帯の場合(70歳の高齢者など)
年金のみで暮らす高齢者の単身世帯の場合は、年金収入が約155万円以下であることが非課税の目安になります。ただし、自治体によって多少の差があるため、あくまで目安として参考にしてください。
この金額は、公的年金控除や基礎控除を差し引いた結果、課税所得がゼロとなり、住民税における「所得割」と「均等割」の両方が非課税になる水準を基にしています。
2人世帯(高齢夫婦など)の場合
年金のみで暮らす高齢者の2人世帯の場合は、夫婦2人の年金収入の合計が約211万円以下であることが目安になります。実際には、扶養の有無や障害者控除などの影響もあるため、詳細は自治体の判定基準を確認する必要があります。
非課税世帯が対象となる支援制度
非課税世帯に該当すると、各種給付金や減免制度の対象となることがあります。例えば、国や自治体が実施する「臨時特別給付金」などです。
低所得世帯向け給付金(1世帯あたり10万円)
物価高やエネルギー価格の上昇による家計への負担を軽減するため、住民税非課税世帯などを対象にした一時金の支給が、2024年度にも実施されました。自治体ごとに対象要件や手続きが異なる可能性はありますが、一世帯あたり10万円を基本として給付を受けられます。
なお、2025年度についても、支援策の継続や新たな給付の検討が行われており、今後の政府方針や予算成立の動向によって詳細が決定される見込みです。こうした給付金制度は、制度内容が年度ごとに変わることが多いため、最新の支援内容や申請方法については、お住まいの自治体のホームページなどをご確認ください。
医療費や介護保険の負担軽減
非課税世帯に該当すると、以下のような支援を受けられる可能性があります。
・国民健康保険料の軽減
・介護保険料の軽減
・入院時の食費・居住費の減額
・保育料・高等学校等修学支援金の優遇 など
自分の世帯が該当するかを調べるには?
自分の世帯が非課税世帯に該当するかを調べるには、最新の住民税課税証明書(非課税証明書)を確認しましょう。住民税課税証明書は、本人の所得や世帯全体の課税状況を確認できるもので、市区町村の役所で発行できます。
とくに高齢の親世帯と別居している場合、「世帯」の定義が重要です。住民票の住所を基に判定されるため、「同居していない親が非課税世帯に該当するかどうか」を判断するには、親本人の世帯構成と収入状況を把握する必要があります。
非課税世帯に該当するかどうかで、支援の選択肢が変わる
非課税世帯かどうかは、給付金や生活支援の受給可否に直結します。「年金生活だから」「収入が少ないから」と思っていても、実際には住民税が課税されているケースもあるため、思い込みで判断せず、証明書や役所での確認が大切です。
高齢の親が「給付金がもらえるかもしれない」と言っていた場合も、根拠となる非課税要件を満たしているかどうかを、きちんと確認してみることをおすすめします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
