大学教授は“年収が高い”という噂は本当?国公立と私立で平均年収は大きく変わる!?
しかし、近年では大学ごとの給与格差が広がっており、大学ごとの規模や財政状況、国公立か私立かといった違いによって大学教授の平均年収は大きく変わるようです。
本記事では、政府の統計データから、大学教授の年収について解説します。
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大学教授の年収の実態
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、大学教授の平均年収は1000万円を超えています。同調査では、大学教授の月収の平均は約66万円となっており、これに賞与などを加えると平均年収は1000万円を上回るのです。
実際に他の職業と比較してみると、大学教授の年収の高さがよく分かります。国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、日本の給与所得者の平均年収は約460万円なので、大学教授の平均年収と比較すると500万円以上の差があります。
同じ教育関係の職業と平均年収を比較しても、小・中学校教員が約730万円、高校教員が約680万円なので、大学教授の年収は300万円以上高いことが分かります。
以上のデータから、大学教授の年収は高いといえるでしょう。
大学教授は高収入だが格差も大きい
大学教授は確かに高収入な職業ですが、大学教授になれば「必ず高い年収がもらえる」というわけではありません。
例えば、同じ国立大学でも令和3年度の国立大学法人東京大学の教授の年間給与額は約905万円~1890万8000円、国立大学法人小樽商科大学では約752万3000円~1118万5000円となっています。両者の年収を比較すると、所属する大学によって大きく差が出ることもあることが分かります。
大学教授になって高い給料をもらうには、どこの大学に所属するかも重要であるといえるでしょう。
国立大学よりも私立大学のほうが平均年収は高い
また、国立大学よりも私立大学のほうが平均年収は高い傾向にあります。これは、大学の主な収入源が生徒の授業料であるからです。
一般的に、国立大学よりも私立大学のほうが授業料は高額なため、大学教授の年収も高い傾向があります。大学教授として高収入を得たいなら、私立大学での採用を目指すほうが可能性は高いかもしれません。
職務階級により年収が異なる
大学内では、職務階級によって年収が大きく異なります。大学の職員は「助教・講師→准教授→教授」と段階的に昇進していきます。当然ですが、この階級により年収が大きく変わる点も把握しておきましょう。
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」を基にした、各職階の平均年収は以下の通りです。
●助教・講師: 約700万円
●准教授:約800万円
●教授: 約1000万円
一番下の助教から教授まで昇進すると、年収は約300万円もアップします。これは月額換算で約30万円の収入増に相当し、一般企業の課長から部長への昇進(通常100~200万円程度の昇給)を大きく上回る昇進効果といえるでしょう。
特に注目すべきは、助教から准教授への昇進で約100万円、准教授から教授への昇進で約200万円の年収アップが期待できることです。
ただし、教授のポスト数は限られており、准教授から教授への昇進には通常5~10年かかることも珍しくありません。そのため、この昇進による収入増は「期間の長い投資」ともいえるでしょう。
大学教授は高い年収を得られる可能性が高い
今回の調査で、大学教授は給与所得者の平均と比較して、高い年収であるということが分かりました。さらに、所属する大学によっても年収に差が生じるでしょう。
大学教授になるまでには、助教から段階的に昇進していく必要があり、人によっては10年以上の期間がかかります。大学教授は、確かに安定した高収入職業としての魅力はありますが、そこに至るまでに長い期間の投資が必要であるという点もしっかり把握しておきましょう。
出典
厚生労働省 賃金構造基本統計調査 /令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査
国立大学法人東京大学 令和3年度財務情報 令和3年度国立大学法人東京大学の役職員の報酬・給与等について
国立大学法人小樽商科大学 国立大学法人小樽商科大学の役職員の給与水準の公表 令和3年度 国立大学法人小樽商科大学の役職員の給与水準の公表
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
