30代共働きで世帯年収「1300万円」なのに貯金が不安…。これって平均より多い?

配信日: 2025.09.07 更新日: 2025.10.21
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30代共働きで世帯年収「1300万円」なのに貯金が不安…。これって平均より多い?
高収入なのに「思ったより貯金が増えない」と感じる人は少なくありません。特に共働き世帯では世帯年収が大きくなる一方、教育費や住宅ローン、日々の生活費も増えがちです。平均と比べるとどの位置にいるのか、なぜ貯蓄が不安になるのかを理解することが、今後の家計づくりに役立ちます。
 
本記事では統計データをもとに、世帯年収1300万円の立ち位置や貯蓄不安の理由、そして取り組むべき家計管理のポイントを解説します。
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世帯年収1300万円は多い? 平均と比較してみよう

まず、1300万円という世帯年収がどの位置にあるのかを確認しましょう。厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査」によると、30代世帯の平均所得は605万7000円です。
 
また、世帯主が60歳未満の世帯のデータですが、総務省「2023年 家計調査 家計収支編(二人以上の世帯)」によると、共働き世帯の1ヶ月あたりの平均実収入は71万9113円です。単純に12ヶ月分かけると、平均年収は約863万円となります。
 
こうしたデータから見ると、1300万円という年収は統計的に「かなり上位」に位置しています。つまり、一般的に収入面で見れば不安に感じる必要はあまりない水準といえます。
 

高収入でも貯金が不安になるのはなぜ? 支出の落とし穴

それでも「貯金が不安」と感じるのはなぜでしょうか。理由のひとつは「支出の拡大」です。収入が増えると生活の水準も上がりやすく、外食や旅行、子どもの教育費、住宅ローンなどが重なって貯蓄に回す余裕が少なくなる傾向があります。
 
特に30代はライフイベントが集中する時期です。住宅購入や子育て、保険料の支払い、将来の教育資金の準備など、大きな出費が続きます。世帯年収が多いほど「このくらいなら大丈夫」と判断しやすく、結果として固定費が膨らんでしまうこともあります。
 
もうひとつの理由は「将来への不安」です。老後資金2000万円問題や年金制度への不信感から、「今の収入に見合う貯蓄がないと不安」という心理が働きます。たとえ十分な年収があっても、貯蓄の見通しが立っていなければ安心感は得られません。
 

同世代はどのくらい貯めている? 30代の平均貯蓄額

金融広報中央委員会「令和5年(2023年)家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」によると、30代で年収1200万円以上の世帯の金融資産保有額は平均が2387万円、中央値は1200万円です。中央値の低さからもわかるように、保有額には大きなばらつきがあります。
 
世帯年収1300万円の層は平均よりはるかに高い収入を得ていますが、だからといって貯蓄額が自動的に増えるわけではありません。むしろ「同世代の平均より多く貯めないと不安」と感じやすく、心理的に余裕が持ちにくいのです。
 
一方で、年収が高い分、計画的に家計を整えれば将来的に十分な資産形成が可能です。同世代との比較にとらわれすぎるのではなく、ライフプランに沿った貯蓄目標を立てることが大切です。
 

まとめ:高収入だからこそ必要な「意識的な家計管理」

世帯年収1300万円は統計的に見れば十分に高収入であり、平均と比べてもかなり上位に位置します。それでも貯蓄に不安を感じるのは、支出の増加や将来への漠然とした不安が原因です。
 
大切なのは、「収入が多いから安心」と思うのではなく、家計を見える化し、優先順位をつけて貯蓄や投資に回す仕組みをつくることです。教育資金や老後資金などライフステージごとの目標を意識すれば、高収入を強みに変えて安定した将来設計ができます。
 
不安を感じる今こそ、支出を振り返り、将来に備えた家計管理を始めるチャンスです。
 

出典

厚生労働省 2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況
総務省 2023年 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 妻の就業状態、世帯類型別
金融広報中央委員会 令和5年(2023年) 家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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