「電車の運転士」をしている友人は土日祝も働いているそうです。「年収」はどれくらいなのでしょうか?
本記事では、電車の運転士の年収や仕事内容、電車の運転士になるまでの流れについて解説します。
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電車の運転士の年収はどれくらい?
総務省統計局の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、鉄道運転従事者の給与は以下の通りでした。
・きまって支給する現金給与額:43万300円
・年間賞与その他特別給与額:151万3500円
この金額から年収は、667万7100円であることが分かります。
電車の運転士の仕事内容
電車の運転士は、日々多くの人や貨物を安全に運ぶ重要な役割を担っています。運転そのものだけでなく、乗務前の点検やトラブル対応など、幅広い業務が含まれます。具体的な仕事内容は、以下の通りです。
・出勤時に電車区や運転区で点呼を受け、時刻表や運転キーを受け取る
・担当車両のモーターやブレーキ、パンタグラフを作動させ、異常がないか点検する
・車庫から車両を始発駅のホームまで移動させ、乗客の乗降を確認してから発車する
・運転中は信号や踏切、線路の状態を監視し、天候や混雑の度合いに応じて加速や制動を調整する
・遅延や急病人の発生といった不測の事態に対処し、できるだけスムーズに運行を継続する
・区間の運転を終えたら次の運転士に引き継ぎ、助役へ運転状況を報告する
・事故やトラブル時には車掌と協力して乗客を避難誘導し、運行司令室と連携して被害を最小限におさえる
・早朝や深夜のシフト、宿泊をともなう勤務など、交代制で不規則な勤務形態に従事する
このように、運転士の仕事は単に電車を走らせるだけではありません。日々の点検から緊急時の対応まで、細やかな業務を積み重ねることで鉄道の安全と正確な運行が守られているのです。
電車の運転士になるにはどうすればいい?
電車の運転士になるにはどうすればいいのか気になる人もいるでしょう。ここでは、電車の運転士に必要な免許を取るまでの流れを解説します。
電車の運転士に必要な免許
電車の運転士になるには、「甲種電気車運転免許」という電車の運転免許が必要です。この国家資格を取得するためには、動力車操縦者試験に合格しなければいけません。新幹線や路面電車を担当する場合には、別の専用の免許が求められます。
受験には20歳以上で心身ともに健康であることが条件とされ、筆記試験、身体検査、適性検査、実技試験をクリアしなければなりません。
電車の運転士になるまでの流れ
電車の運転士になるまでの流れとしては、高校や大学を卒業後に鉄道会社へ入社し、まずは駅員として窓口やホーム業務に携わります。数年の経験を積んだ後、車掌へとステップアップし、さらに社内試験に合格することで運転士候補となれるのです。
その後、鉄道会社や国の認可を受けた養成所で8~9ヶ月にわたる訓練を受講し、学科と技能を習得します。異常時対応を含む教育を修了したうえで免許試験を受け、合格すると運転士見習いとして現場に立つことができるのです。
運転士見習い期間中は、先輩の指導を受けながら運転技術を磨き、十分な経験を積んだうえで正式に運転士へ任命されます。その後も定期的に非常時のシミュレーション訓練があり、安全に対する意識と技術を常に高め続ける努力が必要です。さらに昇進試験に挑戦すれば、助役や駅長といった管理職への道も開かれます。
電車運転士は、数多くの人の命を預かる職業です。そのため、専門的な知識と冷静な判断力、そして長時間の緊張状態に耐えられる持久力が不可欠となります。こうした資質を身につけて初めて、一人前の運転士として鉄道の安全を支えることができるのです。
電車の運転士の平均年収は667万7100円
電車の運転士の平均年収は、667万7100円です。
電車の運転士は、電車の点検や運転、緊急時の対応まで幅広い責任を担う職業です。駅員や車掌を経て訓練と国家資格を取得した人だけが就くことができ、日々の業務では多くの命を預かる緊張感の中で冷静な判断力と集中力が求められます。
私たちが安心して鉄道を利用できるのは、こうした運転士の努力と使命感に支えられているからだといえるでしょう。
出典
総務省統計局 令和6年賃金構造基本統計調査 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
