「総合商社」と「専門商社」で平均年収に“1000万円”近くの差が!?年収に差が出るのはなぜ?

配信日: 2025.09.14 更新日: 2025.10.21
この記事は約 4 分で読めます。
「総合商社」と「専門商社」で平均年収に“1000万円”近くの差が!?年収に差が出るのはなぜ?
就職や転職先として人気の高い「商社」業界。しかし同じ商社と呼ばれる企業でも、総合商社と専門商社では、平均年収に1000万円近い差がつくケースもあるといわれています。
 
では、なぜこれほどの差が生まれるのでしょうか。本記事では、総合商社と専門商社の違いや、年収差が出る理由について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

総合商社と専門商社の違いとは?

そもそも「総合商社」と「専門商社」は、事業の成り立ちや規模が異なります。総合商社は、エネルギー、機械、金属、食品、化学品など、非常に幅広い商品やサービスを扱う企業です。
 
国内外に拠点を持ち、貿易だけでなく資源開発やインフラ整備、物流、金融、投資など、さまざまな分野で事業を展開しており、多角化された巨大なビジネスモデルが特徴です。
 
一方の専門商社は、特定の分野に特化して事業を行う企業です。例えば、食品専門商社や化学品専門商社、電子部品専門商社など、取り扱う分野や商品が明確に限定されており、より深い専門性を武器にしたビジネスを行っています。
 
このように、事業領域の広さや企業規模に違いが、年収差の背景に大きく関わってきます。
 

年収の差はどれくらいあるのか?

複数の転職サイトなどの調査結果を見ると、総合商社と専門商社の平均年収は、数百~1000万円程度の差があります。
 
総合商社では、20代後半~30代で年収1000万円を超えることも珍しくなく、役職が上がれば1500万円以上に到達することもあります。これは基本給に加え、賞与や手当、海外赴任時の加算などを含めた金額です。
 
対して専門商社では、同じ年齢層での年収はおおむね600~900万円程度が一般的です。上位企業では1000万円を超えるケースもあり、企業や職種によって異なりますが、全体的に総合商社のほうが高年収となりやすいのが実態です。
 

なぜ年収に差が出るのか?

商社業界では同じ営業職や海外取引に関わっていても、総合商社と専門商社では年収に大きな違いが生まれます。では、その差はどこからくるのでしょうか。本章で、いくつかのポイントに分けて解説します。
 
第一に、事業規模と利益構造の違いです。総合商社は大規模な国際取引やプロジェクトへの投資を行っており、利益額も大きくなりがちです。数百億円単位の取引や、複数年にわたる資源開発、海外インフラ案件など1件ごとのスケールが大きく、社員への報酬もその分高く設定されます。
 
次に、リスクの取り方の違いです。総合商社は、リスクの高い事業に資本投下するケースも多く、失敗すれば損失も大きくなりますが、その分成功時の利益も大きくなります。こうしたハイリスク・ハイリターンのビジネスモデルが、報酬水準の高さに反映されています。
 
また、海外展開の規模と負担も関係しています。総合商社は多数の海外拠点を持ち、現地法人の経営や海外パートナーとの交渉、プロジェクト運営など、高度なスキルと責任が求められる業務が多くなります。海外駐在には特別手当が支給されることもあり、それが年収を押し上げています。
 
さらに、人材に求められるスペックにも違いがあります。語学力、財務知識、法律知識、交渉力など、多様なスキルを求められる総合商社では、優秀な人材を確保・維持するために高い報酬が設定されている傾向があります。
 

専門商社でも高年収は目指せるのか? 専門商社で働くメリットは?

専門商社であっても、高い専門性やニッチな分野での強みがあれば、高年収を実現することは可能です。実際、特定の技術商材や高付加価値商品を扱う企業では、プロジェクト単位で大きな利益を得ることもあります。
 
また、海外に強いネットワークを持っていたり、大手メーカーとの太い取引関係を構築していたりする専門商社もあります。そういった企業では、グローバル展開や経営企画、事業開発などの役割を担う人材に対して、高い報酬が支払われる傾向があります。
 
しかし、企業の規模や事業領域に限界があると、報酬もその範囲内に収まることが多いのも事実です。専門商社で年収を高めたい場合は、自らのスキルアップや専門性の追求、または会社の成長性を見極めたキャリア設計が欠かせません。
 
専門商社は若いうちから裁量の大きい仕事を任されやすく、業務全体を把握できる機会が多いのも特徴です。
 
さらに、総合商社に比べて転勤や海外駐在の頻度が少ない分、ライフスタイルを重視した働き方がしやすいのもメリットです。「安定した環境で専門性を高めたい」「自分の裁量で仕事を進めたい」と考える人にとっては、専門商社のほうが向いている場合もあります。
 

収入・働き方・裁量の違いを理解して、自分に合う道を選ぼう

総合商社と専門商社の間には確かに年収の差がありますが、その背景には事業規模や求められるスキル、リスクの取り方など多くの違いがあります。ただし、高収入を得られる一方で国際業務や長期出張、重い責任を伴う仕事も多く、ハードな働き方を求められることもあります。
 
一方、専門商社は分野特化による専門性の高さや、比較的裁量の大きな働き方、安定した職場環境など総合商社とは異なる魅力があります。ライフスタイルや価値観によっては、専門商社のほうが自分らしく働けるという人もいるでしょう。
 
年収だけを軸にせず、「どんな働き方をしたいか」「どんなキャリアを築きたいか」を含めて、自分に合った選択をすることが、後悔しないキャリア選びの第一歩になります。年収だけでなく、将来の自分を想像しながら、自分らしく働ける環境を意識して選ぶとよいでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問