「自衛隊のパイロットになりたい」という息子。役割は「海上・航空」でどう違う? 年収もあわせて比較

配信日: 2025.09.14 更新日: 2025.10.21
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「自衛隊のパイロットになりたい」という息子。役割は「海上・航空」でどう違う? 年収もあわせて比較
幼い頃から空を飛ぶ飛行機を見ていて、パイロットに憧れたことのある人は多いのではないでしょうか。パイロットになる道はさまざまですが、例えば海上自衛隊や航空自衛隊のパイロットを目指すために「航空学生」を目指す方法があります。
 
では、海上自衛隊と航空自衛隊では同じパイロットでも何か違うのでしょうか? 本記事では、自衛隊でパイロットになる方法や各パイロットの役割、年収も合わせて比較します。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

海上自衛隊・航空自衛隊パイロットのなり方

海上自衛隊・航空自衛隊のパイロットになる方法には、複数のルートがあります。例えば、航空自衛隊のパイロットを目指す場合、防衛大学校または一般大学等のあとに「一般幹部候補生課程」を経て飛行準備課程に進む方法があります。
 
また、海上自衛隊・航空自衛隊ともに、高校卒業後に「航空学生課程」を経て飛行準備課程に進むことも可能です。
 
航空学生とは海上自衛隊・航空自衛隊のパイロットを養成する制度で、入隊後は全員が学生宿舎で規則正しい共同生活をしながら基礎教育を2年間受け、飛行訓練を中心とした操縦課程に進むことになります。
 

海上自衛隊パイロットの役割

同じ「パイロット」であっても、海上自衛隊と航空自衛隊では、パイロットの役割が全く異なります。
 
海上自衛隊の場合、文字通り「海の上」がパイロットをはじめとした自衛官が活躍できるフィールドです。海上自衛隊の航空学生は各課程を修了したあとで、海上での警戒監視や捜索救難、輸送などの任務にあたります。また、不審船や他国の艦艇等の発見など、「対艦艇」「対潜水艦」のためにパイロットが活躍します。
 

航空自衛隊のパイロットの役割

航空自衛隊のパイロットは、海をわたって上陸をしようとする外敵や、侵入してくる航空機に空から対処する仕事です。具体的には、日本に接近する不明機に対する行動の監視や警戒・警告が主な任務になります。
 
また、輸送機やヘリコプターなどの災害派遣や、国連の要請を受けた空輸支援、政府専用機による国賓輸送なども、航空自衛隊のパイロットの重要な役割です。
 

自衛隊パイロットの年収比較

ここからは「防衛省・自衛隊 航空学生採用案内」をもとに、自衛隊のパイロットの年収をモデルケースとして解説します。
 
海上自衛隊も航空自衛隊も、初任給はほぼ変わりません。海上自衛隊の初任給は高校卒で17万9200円、大学卒で19万8100円です。航空自衛隊は月額17万9200円ですが、学歴や職歴などによって異なる場合があります。
 
海上自衛隊の場合、航空学生の2年間を修了したあとに3等海曹となると、航空手当がついて月給例は29万8516円となります。
 
一方の航空自衛隊の場合、航空学生の2年間の課程を修了したあとは約6ヶ月の飛行準備課程に入り、このときの月給例は20万1700円です。飛行準備課程を修了した初級操縦課程では航空手当がつき、月給例は海上自衛隊と同じく29万8516円となります。
 
いわゆるボーナスを加味しない場合、海上自衛隊として3等海曹になったあとの年収は約358万円です。一方の航空自衛隊の場合は飛行準備課程の約5~8.5ヶ月の年収は約242万円、初級操縦課程に進めば約358万円になる計算です。
 

まとめ

海上自衛隊のパイロットも航空自衛隊のパイロットも、モデル年収ではほとんど差はありません。一方、パイロットとしての役割には海上自衛隊と航空自衛隊でかなりの違いがあります。
 
海上自衛隊か航空自衛隊を目指す場合は、どのように自衛隊として活躍したいかという点で、進路を決めることをおすすめします。
 

出典

自衛隊愛媛地方協力本部 採用案内
防衛省・自衛隊 航空学生採用案内
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

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