医学部を卒業する息子は「大学病院」と「医療法人」の勤務医で進路に悩んでいるようです。収入面や仕事内容など、どのような違いがあるのでしょうか?

配信日: 2025.09.20 更新日: 2025.10.21
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医学部を卒業する息子は「大学病院」と「医療法人」の勤務医で進路に悩んでいるようです。収入面や仕事内容など、どのような違いがあるのでしょうか?
医学部卒業後のキャリアには、いくつかの道があります。そのなかでも「大学病院での勤務」と「医療法人での勤務」は、多くの新米医師が悩む選択肢です。
 
大学病院は研究や教育に携わるチャンスがある一方で収入は控えめ、医療法人は収入が安定しやすい反面、研究や学術活動の機会は少なめという傾向があります。
 
本記事では収入面や仕事内容、キャリアの展望などを比較しながら、それぞれの特徴を整理していきます。
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大学病院の勤務医:研究や教育に携わりながら専門性を高める働き方

大学病院に勤務する魅力の一つは、臨床だけではなく研究や教育に関わる機会があることです。医学生や研修医を指導したり、臨床研究に参加したりすることができるため、学術的なキャリアを築ける環境が整っています。
 
また、多くの大学病院では専門医取得に必要な症例数や指導体制が整備されており、将来専門分野を習得したい人にとって大きなメリットになります。大学病院で勤務し実績を積むことで、学会発表や論文執筆など学術的な評価を得やすい点も特徴です。
 
一方で、給与水準は一般的に低めです。初期研修後の若手医師の場合、年収は400~600万円程度にとどまる場合も多く、同世代の他業種と比べても高いとはいえません。また、研究や教育に時間を割くことが多いため、臨床経験の幅が制限される場合もあります。
 

医療法人の勤務医:収入が安定し、臨床に集中できる働き方

医療法人で勤務する医師は、収入が比較的高めで安定しやすい傾向にあります。常勤医の場合、年収1000万円前後からスタートし、経験を積むことでさらに増えるケースも少なくありません。
 
仕事の中心は臨床で、患者の診療を通じて地域医療に貢献します。研究や教育に割く時間は大学病院に比べて限られますが、多様な症例に触れられる環境もあり、実地経験を積むには適した職場といえます。
 
また、大学病院と比べて組織がフラットで、個々の裁量が大きいため、生活の安定を重視する人には向いているといえます。
 
ただし、学術的な活動や専門医資格の取得を目指す場合には、十分なサポートが得られないこともあります。研究実績を積みたい人や学会活動を重視する人にとっては物足りなさを感じる可能性があります。
 

医師としてのキャリアは将来像やライフプランで変わる

医師としてどちらの勤務が適しているかは、将来どのような医師を目指すかによって変わります。研究や教育を重視し、専門医資格の取得や学術活動に力を入れたいなら大学病院が向いています。
 
一方で、収入の安定や幅広い臨床経験、生活や家庭との両立を重視するなら医療法人のほうが適しているでしょう。
 
また、医師のキャリアは一方向に固定されるものではなく、大学病院から医療法人へ移るケースも珍しくありません。例えば、若いうちは大学病院で専門性を磨いて、ある程度経験を積んだ後に、医療法人へ移って臨床中心の働き方にシフトするというケースもあります。
 
つまり重要なのは、今どちらが良いかを決め切ることではなく、将来どのような医師になりたいか、どんな生活を送りたいかという長期的な視点を持つことです。そのビジョンを基準にすれば、選択肢を柔軟に組み合わせてキャリアを築いていくことができます。
 

柔軟に考えて自分らしいキャリアを築こう

大学病院では研究や教育を通じて専門性を高めることができますが、給与水準は控えめになる傾向にあります。
 
一方、医療法人では収入が比較的安定しており、臨床業務に専念できる環境ですが、学術的な活動の機会は限られる場合が多いです。医師のキャリアは一度の選択で決まるものではなく、大学病院から医療法人へ移るなど、働き方を変えることも十分可能です。
 
医師のキャリア選択は収入や仕事内容だけで判断するのではなく、ライフプランや将来のビジョンも踏まえて考えることが重要です。どちらの道を選んでもそこで得た経験は必ず将来につながるので、長期的な視点を持って選択しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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