「裁判官」vs「検察官」vs「弁護士」!平均年収がもっとも高いのはどれ?
本記事では、裁判官・検察官・弁護士の平均給与や仕事内容を解説します。それぞれの職業について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
なお、賞与については一般公開されていないケースや、職種区分によって異なる場合がありますので、今回は平均給与に限定してご紹介します。
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裁判官・検察官・弁護士、平均給与が高いのはどの職業?
裁判官・検察官・弁護士は、司法試験と二回試験に合格して初めて従事できる専門職であり、「法曹三者」と呼ばれています。いずれも社会的責任が重く、高度な知識と判断力が求められる職業です。それぞれどのくらいの給与なのか見ていきましょう。
裁判官の年収
裁判官の報酬等に関する法律によると、裁判官の報酬は表1の通りです。
表1
| 区分 | 報酬月額 |
|---|---|
| 最高裁判所長官 | 203万8000円 |
| 最高裁判所判事 | 148万6000円 |
| 東京高等裁判所長官 | 142万6000円 |
| その他の高等裁判所長官 | 132万1000円 |
| 判事(一号~八号) | 119万1000円~52万6000円 |
| 判事補(一号~十二号) | 44万3900円~26万5300円 |
| 簡易裁判所判事(一号~十七号) | 82万9000円~26万5300円 |
出典:デジタル庁 e-GOV 法令検索「裁判官の報酬等に関する法律(昭和二十三年法律第七十五号)」を基に筆者作成
裁判官の給与には、毎月の報酬に加えて特別給(ボーナス)が支給されます。裁判官の支給月数や実際の賞与額については、最高裁判所が決定しているようです。そのため、国家公務員の賞与とは異なる点に注意が必要です。
検察官の年収
検察官の俸給等に関する法律によると、検察官の報酬は表2の通りでした。
表2
| 区分 | 報酬月額 |
|---|---|
| 検事総長 | 148万6000円 |
| 次長検事 | 121万6000円 |
| 東京高等検察庁検事長 | 132万1000円 |
| その他の検事長 | 121万6000円 |
| 検事(一号~二十号) | 119万1000円~26万5300円 |
| 副検事(一号~十七号) | 58万4000円~24万7100円 |
出典:デジタル庁 e-GOV 法令検索「検察官の俸給等に関する法律(昭和二十三年法律第七十六号)」を基に筆者作成
検察官の特別給は、区分ごとに支給基準が異なります。
検事総長・次長検事・検事長は「特別職の職員の給与に関する法律」に基づき、また一号〜八号の検事や一号・二号の副検事は「一般職の職員の給与に関する法律」に基づいて支給されます。それ以外の検事は、通常の職員と同じ基準のようです。
弁護士の年収
総務省統計局の「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば、弁護士を含む法務従事者全体の平均年収は765万2700円となっています。そのうち、きまって支給する現金給与額は、53万7000円のようです。
ただし、ここには弁護士以外の職種も含まれているため、弁護士だけの正確な数値ではない点に注意が必要です。
裁判官・検察官・弁護士の平均給与額を比較すると、平均的に最も高いのは裁判官と考えられます。ただし、裁判官や検察官、弁護士の報酬は区分によって大きく異なる点と、今回は賞与を加味していない点も考慮すると、必ずしもすべての裁判官の年収が一番高い水準にあるとはいえないでしょう。
裁判官・検察官・弁護士、それぞれの仕事内容
裁判官や検察官、弁護士はどのような仕事をしているのか気になる方もいるでしょう。ここでは、それぞれの仕事内容を解説します。
裁判官の仕事内容
裁判官は、法律や憲法に基づき、社会で起こるさまざまな紛争や犯罪を解決する役割を担います。
民事裁判では、金銭や契約など生活上の争いを調整し、証拠を確認して判決を下すほか、和解による解決も促します。刑事裁判では被告人が有罪かどうかを判断し、必要に応じて刑を科すのです。家庭裁判所では離婚や相続、少年事件などを扱い、高等裁判所や最高裁判所では下級審の判断を見直し、憲法判断なども行います。
検察官の仕事内容
検察官は、警察から送られた事件や告訴・告発を受けた事件を捜査し、起訴するかどうかを決定します。証拠や被疑者の状況を考慮し、起訴猶予とする権限も持ちます。公判請求した事件で証拠提出や証人尋問を行い、最終的に求刑を示すことも仕事の一つです。
また、裁判員裁判では一般市民が理解しやすい立証を心がけます。判決後は刑の執行を指揮し、公益の代表者として法令に基づく業務を担います。
弁護士の仕事内容
弁護士は依頼者の立場に立ち、民事・刑事を問わず紛争の解決や権利の擁護を行う仕事です。
民事分野では契約トラブル、交通事故、離婚や相続などを扱い、交渉や訴訟を通じて解決を図ります。刑事事件では、被疑者や被告人の弁護を行い、不当な処分や冤罪を防ぐ重要な役割を果たします。
さらに、国際化に伴い、海外取引や人権問題などグローバルな案件にも対応するなど、社会全体で幅広い法的支援を担っているのが弁護士です。
裁判官・検察官・弁護士で給与が高い傾向にあるのは裁判官
裁判官・検察官・弁護士はいずれも司法試験を突破しなければ就けない高度な専門職ですが、その年収や仕事内容には大きな違いがあります。裁判官や検察官は区分や役職によって年収に幅があり、安定性がある一方で年収の差も大きい職業です。
弁護士は平均では少々低めに見えますが、所属先や実績次第で大きく収入が変動する可能性を秘めています。どの職業も社会的責任が重く、法律を通じて人々の権利を守る重要な役割を果たしている点は共通しているといえるでしょう。
出典
デジタル庁 e-GOV 法令検索 裁判官の報酬等に関する法律(昭和二十三年法律第七十五号)
デジタル庁 e-GOV 法令検索 検察官の俸給等に関する法律(昭和二十三年法律第七十六号)
総務省統計局 令和6年賃金構造基本統計調査 表番号1
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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