医者の年収っていったいどれくらい? 科によって収入は異なる?

配信日: 2025.09.27 更新日: 2025.10.21
この記事は約 4 分で読めます。
医者の年収っていったいどれくらい? 科によって収入は異なる?
「医師は高収入」というイメージを持っている方は多いかもしれません。しかし、実際の収入や、診療科目による年収差を知らない人もいるでしょう。
 
本記事では、診療科別・年代別・勤務形態別に医師の年収を詳しく解説します。また、高収入を目指す方法や、収入に関する現実的な課題についても触れているため、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

医師の平均年収はどれくらい?

医師の年収は勤務医・開業医、年齢によって大きく変動します。ここでは医師全体の平均年収から、それぞれの特徴を詳しく解説します。
 

勤務医と開業医の年収の違い

厚生労働省中央社会保険医療協議会が実施した「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」によると、勤務医と開業医の平均年収は以下のとおりです。

●勤務医:約1461万円
●開業医:約2631万円

どちらも他職種と比べて年収は高水準ですが、開業医は勤務医に比べて年収が多いことが分かります。
 
ただし、開業医の年収は経営状況により大きく異なります。また、開業して間がなければ、初期投資リスクと経営責任が伴うため、全ての開業医が高収入を得られるとは限らないでしょう。勤務医は安定収入、開業医はハイリスク・ハイリターンであるといえます。
 

年代別の傾向

厚生労働省の調査によると、医師の年収は年齢とともに段階的に上昇します。 
 
表1

20~24歳 約508万円
25~29歳 約697万円
30~34歳 約872万円
35~39歳 約1306万円
40~44歳 約1366万円
45~49歳 約1714万円
50~54歳 約1774万円
55~59歳 約1978万円

出典:e-Stat 政府の統計窓口「厚生労働省 賃金構造基本統計調査 / 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」を基に筆者作成
 
国税庁「令和5年度 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は460万円であることから、20代の研修医時代は一般的なサラリーマンと大差はないでしょう。しかし、30代後半以降は年収1000万円を超えます。医師は経験年数に応じて着実に年収が向上する職業といえるでしょう。
 

【診療科別】医師の年収

診療科による年収格差は医師の収入を左右する最大の要因です。自由診療を中心とする診療科と保険診療中心の診療科には大幅な差があります。
 

稼げる診療科はどこか

稼げる診療科は以下のとおりです。

●美容外科:約1900万~3500万円
●美容皮膚科:約1600万~2500万円
●産婦人科:約1500万~2300万円
●脳神経外科:約1300~1800万円

平均年収が高いのは美容外科や美容皮膚科でした。美容系診療は自由診療で、自由度が高い料金設定が高収入の要因です。近年では、美容に対する関心の高まりにより需要が安定しています。売り上げや技術力・接客力に応じたインセンティブ制度を導入している病院もあります。
 
また、脳神経外科や産婦人科など専門性の高い分野は、他の外科と比べて高年収です。これらの診療科には緊急対応が必要な場合もあるため、夜間・休日対応の手当がつくことも多く、また技術力と専門知識が収入に反映されています。
 

年収が低いとされる診療科

年収が低いとされている診療科は、以下のとおりです。

●産業医:約1000万~1300万円
●皮膚科:約1400万~1900万円
●耳鼻咽喉科:約1400万~1900万円

保険診療中心の診療科は、年収が比較的低めの傾向にあります。産業医、皮膚科、耳鼻咽喉科などの診療科は、緊急性の高い処置が少なく、夜間・休日の対応頻度も低いことが収入に影響しているのです。
 
ただし、開業により大幅な収入アップを目指すことは可能です。年収が低めとされている診療科でも、開業医になることで高収入を実現しているケースもあります。
 

医師の年収を上げるにはいくつかのポイントがある

医師の年収について詳しく見てきました。安定収入を得たい方は勤務医がおすすめです。勤務医と開業医を比較すると、「開業医」の方が年収は高い傾向にあります。ただし、経営リスクが伴います。
 
また、研修医である20代の年収は一般的な会社員と変わりませんが、30代後半で1000万円を超えます。
 
なお、自由診療が多い診療科や専門性や緊急性を伴う診療科は収入が高くなりやすいことが分かりました。医師になって高収入を目指したいと考えている方は、自由診療系診療科への転科や開業による独立などを検討してみてはいかがでしょう。
 

出典

厚生労働省
 中央社会保険医療協議会 第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告 -令和5年 実施-

 令和6年賃金構造基本統計調査
国税庁 民間給与実態統計調査
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問