夫に「年収の壁が160万円になって助かるね」と話したところ、「年収がバレるから人には言わないで」といわれました…。なぜ“年収がバレる”のでしょうか?

配信日: 2025.09.29 更新日: 2025.10.21
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夫に「年収の壁が160万円になって助かるね」と話したところ、「年収がバレるから人には言わないで」といわれました…。なぜ“年収がバレる”のでしょうか?
令和7年度は、「年収の壁」など、さまざまな制度の見直しが行われます。今回のケースでは、夫婦で「年収の壁」に関する話題を出したところ、夫から「年収がバレる」と注意を受けたそうです。なぜ「年収の壁」に関する話題で年収がバレてしまうのでしょうか。本記事で詳しく解説します。
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令和7年度から税制上の「年収の壁」が見直しに

令和7年度の税制改正では、「103万円の壁」という所得税がかかるボーダーラインの年収が123万円まで引き上げられるという、労働者にとって大きな見直しが行われました。
 
具体的には、所得税の基礎控除および給与所得控除における課税最低ラインが引き上げられたことにより、これまで短時間労働者などの「働き控え」となっていた状況が、ある程度解消されることが予想されるでしょう。
 
なお、これらの税制改正による引き上げは、給与所得者の場合、令和7年分の年末調整時から適用されるとしています。
 

「年収の壁」の話題で「年収がバレる」理由

俗に「160万円の壁」と呼ばれているものは、今回の税制改正によって、基礎控除の特例として創設された「上乗せ特例」によるもので、低所得者層の税負担を軽減させるため、最大で160万円まで非課税となる層が生まれることを指しています。
 
またこの上乗せ特例には、令和7年・8年度のみ中所得者層を含めた税負担軽減として、高所得者ほど上乗せが小さくなる仕組みなど、段階的に工夫して上乗せする措置も含まれています。
 
つまり、「160万円の壁」が新たに特例として創設されたことで、「低所得者層ほど控除額の引き上げ幅が大きい」という関係性から、「年収の壁」の話題で年収がある程度推測できてしまうことになります。
 
掲題のケースでは、夫は「低所得者層ということがバレてしまうから、160万円の壁の話題を人に言わないで」という意味で話していたと考えられます。
 

「年収の壁」以外に「年収がバレる」可能性のある話題とは?

他にも周囲に「年収がバレてしまう」可能性のある控除や税制にはどのような種類があるのでしょうか。今回は、以下に3つの例を挙げてご紹介します。
 
(1)配偶者控除・配偶者特別控除
配偶者控除や配偶者特別控除には所得制限があり、納税者本人と配偶者の所得が一定額を超えると控除を受けられなくなる仕組みであるため、配偶者控除や配偶者特別控除の話題から年収を推測される可能性があります。なお、令和7年度税制改正においては、要件となる所得の基準も引き上げられました。
 
(2)高額療養費
高額療養費制度とは、医療機関などの窓口で負担した1ヶ月の医療費が自己負担上限額を超えた場合、保険者から超えた分の払い戻しを受けられる制度です。自己負担上限額は年齢や所得に応じて決まるため、高額療養費の区分によっておおまかな年収が推測される可能性があります。
 
(3)ふるさと納税
ふるさと納税において、自己負担額の2000円を除いた全額が所得税および住民税から控除される上限額は、納税者本人の収入と家族構成によって決まる仕組みです。そのため、「ふるさと納税をいくらした」といった話題は、年収が推測される可能性があります。
 

まとめ

今回は「年収の壁」の話題の他にも、うっかり話に出してしまうと、相手に年収を推測されてしまう可能性のある話題について解説しました。必ずしもお金の話がタブーというわけではありませんが、「なんとなく年収を知られるのは嫌かも……」と感じている方は注意しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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