新築マンションの駐車場に「アルファード」「レクサス」がズラリ…都内1人暮らしに「家賃15万円」払えるのはお金持ち? 高級車も乗るなら、年収いくら必要でしょうか?
興味が出て調べたところ、1LDKで家賃はおよそ15万円と高額なため、そこへの引っ越しは諦めたそうですが、実際に人が住み始めると、駐車場にはアルファードやレクサスといった高級車が並んでいました。その光景を見てAさんは「一人暮らしで家賃15万円を払える人は、高級車に乗れるくらいお金持ちなんだな」と感じたといいます。
本記事では、東京23区での一人暮らしにおける家賃15万円の位置づけや、収入とのバランスについて考えていきます。
FP2級、WEBライター検定3級、情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト
東京23区の一人暮らしで「家賃15万円」は高い?
東京23区で一人暮らしをする際の家賃は、立地や築年数、駅からの距離によって大きく変動します。
特に港区・渋谷区・目黒区・新宿区といった人気エリアでは、利便性やブランド力の高さから家賃が高騰しており、1LDKの平均相場は20万円以上に達することも珍しくありません。新築やタワーマンションであれば、さらに家賃が上乗せされるケースも多いのが実情です。
一方で、葛飾区や江戸川区、練馬区、板橋区といった23区の北東部や北西部のエリアでは、1LDKの平均家賃は12~14万円程度にとどまります。都心から少し離れるだけで、同じ間取りでも月に数万円の差が出ることはよくあります。
また、築年数が10年以上経過している物件や駅から徒歩10分以上離れている物件であれば、10万円台前半に収まるケースも見られます。こうした地域差をふまえると、1LDKで15万円という水準は、東京23区内であれば平均的な家賃と言えるでしょう。
家賃は「手取りの何割」が理想?
住居費の目安としてよく知られているのが「手取り収入の3割以内に抑える」というものです。例えば手取り月収が50万円であれば、家賃の上限は15万円程度が妥当とされます。これは金融機関や不動産業界でも広く使われ、無理のない家計運営の目安とされています。
ただし、実際の生活では3割ルールが必ずしも当てはまるとは限りません。例えば、独身で生活費を自由に使える人であれば、家賃を多少多めに払っても生活は問題ないでしょう。一方で、貯蓄を重視する人や将来に備えて資産形成を進めたい人にとっては、家賃を手取りの2割程度に抑えたほうが安心です。
また、東京での生活は、物価や交際費が高くなりがちです。家賃が高いとその分、食費・趣味・旅行費用などを削らざるを得ないケースも少なくありません。とりわけ、老後資金や結婚・住宅購入といったライフイベントを見据えるなら、毎月の貯蓄額を確保できるかどうかが大きな分かれ目となります。
家賃=手取りの3割という基準を参考にしつつも、ライフスタイルや将来設計に合わせて調整することが大切と言えるでしょう。
家賃15万円+高級車を維持できる年収はどれくらい?
では、家賃15万円に加えて管理費1万円を支払い、さらにアルファードやレクサスといった高級車を所有する場合、どの程度の年収が必要なのでしょうか。
住居費16万円を手取り収入の3割以内に収めるには、月収はおよそ53万円、年収に換算すると800万円以上となります。これはあくまで住居費のみを想定した数値であり、実際には生活費や貯蓄を確保するためには、もう少し余裕があることが望ましいでしょう。
次に高級車の維持費です。アルファードやレクサスといった車種の場合、ベーシックなモデルであっても購入価格は500万~800万円以上にのぼります。
さらに毎年の自動車税・重量税・車検・環境性能割・任意保険料・ガソリン代などを合計すると、年間で50万円以上のコストが想定されます。さらに都心部では、駐車場代だけで月3万~5万円かかることも珍しくなく、これも大きな負担となります。
これらを無理なくまかなえるとなると、年収1000万円前後、あるいはそれ以上の層である可能性が高いと推測されます。住居費16万円と高級車を同時に維持できる人は、やはり高所得者であると言えるでしょう。
まとめ
都内の新築マンションで1LDKの家賃に15万円を払うことは、決して珍しい水準ではありません。ただし、生活費全体とのバランスを考えると、手取りの3割を超える家賃設定は慎重に検討すべきです。
一方で、高級車を所有しながら家賃15万円を支払える人は、年収1000万円クラスの高所得者である可能性が高いでしょう。新築マンションに高級車が並ぶ光景は、都市部ならではのお金事情を映し出していると言えます。
出典
国土交通省 自動車重量税額について
東京都 主税局 自動車税環境性能割
執筆者 : 金田サトシ
FP2級、WEBライター検定3級、情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト
