高卒の夫が「年収800万円」に! 本人は「学歴なんて関係ない」と言うけれど、それだけ稼ぐのは簡単じゃないですよね? 大卒との“平均年収”を比較
本記事では、高校卒と大学卒の人の平均年収や生涯賃金を比較しつつ、高校卒で年収800万円を超える難易度や、収入と学歴に関係はあるのか、学歴の影響なく高収入を期待できる仕事には何があるのかも併せて解説します。
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高校卒の人の平均年収・生涯賃金
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、高校卒会社員の「年齢階級別推定平均年収」は図表1の通りです。
図表1
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査を基に筆者作成
18歳から64歳まで働いたと仮定すると生涯の平均年収は約449万円、生涯賃金の合計は約2億1100万円と計算できました。
年収800万円という金額は、高校卒の一般的な年収と比較して350万円以上も高い水準であることが分かります。
大学卒の人の平均年収・生涯賃金
同資料によると、大学卒会社員の「年齢階級別推定平均年収」は図表2の通りです。
図表2
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査を基に筆者作成
22歳から64歳まで働いたと仮定すると生涯の平均年収は約645万円、生涯賃金の合計は2億7700万円と計算できました。
今回のモデルである「年収800万円」を超える平均年収になっているのは50~54歳、55~59歳の2つだけです。大学卒の会社員でも、年収800万円を超えるのはキャリアの終盤です。
年収800万円は高校卒の人も平均年収を大きく上回る
今回のモデルケースは「高校卒の夫が年収800万円になった」というものでしたが、年収800万円という金額は高校卒の会社員の平均を大幅に上回っています。
また、大学卒の会社員の給料でも年収800万円を超えるのは50歳以降のキャリア終盤です。高校卒の夫の年齢が50歳以降だとしても、大学卒の平均と同様に稼いでいることになります。
高等教育の教育費負担等に関する調査研究にもあるとおり、高校卒と大学卒では平均年収に大きな差があります。あくまで平均ではありますが、年収と学歴にはある程度の関係があるといえるでしょう。
ただ、実際に稼げる給料は職種によっても異なります。
学歴に関係なく高年収を期待できる仕事とは
高校卒の人が高年収を目指すなら、平均年収の高い業界や、学歴に関係なく稼げる職種を選択するのが有効です。
国税庁の令和5年分民間給与実態統計調査によると、平均給与が高い業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」で、平均年収は775万円です。次いで「金融業・保険業」の652万円、「情報通信業」の649万円と続きます。
例えば、生命保険の営業であれば契約件数が評価につながるため、高校卒でも大学卒の同期以上の契約件数を達成すれば年収で上回ることが可能です。
まとめ
各データで高校卒と大学卒の平均年収や生涯賃金を比較したところ、「高校卒で年収800万円」は大学卒のキャリア終盤に匹敵する年収水準であると分かりました。学歴によって年収に差があるなかで高校卒から年収800万円を目指すのは難しく、達成を目指すなら業界や仕事選びが大切になります。
営業のような、学歴よりも結果を重視する業界や職種を選ぶことで、高校卒でも年収800万円を狙えるでしょう。
出典
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級


