「ひよこ鑑定士は儲かる」と聞き乗り気な息子。「ラクそう」と言っていますが、この先も“需要”はありますか? 年収もあわせて解説

配信日: 2025.09.30
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「ひよこ鑑定士は儲かる」と聞き乗り気な息子。「ラクそう」と言っていますが、この先も“需要”はありますか? 年収もあわせて解説
めずらしい仕事として話題になることがある「ひよこ鑑定士」。「年収が高いらしい」と聞くと、興味を持つ人もいるかもしれません。確かに、専門性が高く海外でも需要があるため、高収入の事例が紹介されることもあります。
 
しかし、実際には厳しい訓練や長時間の作業など、収入面だけでは見えてこない現実も存在します。本記事では、ひよこ鑑定士の仕事内容、年収の目安、仕事の大変さや将来性を解説します。
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ひよこ鑑定士とは?

ひよこ鑑定士は、卵からかえったばかりの鶏のひなの性別を判定する専門職です。鶏のオスとメスは成長後の役割が大きく異なり、飼育方法も変わってくるため、養鶏業において初期段階での選別は欠かせません。
 
生まれて間もないひなは、外見から性別を判別するのが難しく、ひよこ鑑定士は肛門の形状のわずかな違いを見分ける「肛門鑑別法」という手法で鑑別します。
 
1羽あたり数秒で処理し、平均すると1時間に約1000羽を鑑別します。仕事を担うには、手先の器用さ、集中力、持久力が求められ、経験を重ねて鑑別精度を高める必要があります。
 
ひよこ鑑定士になるためには、公益社団法人畜産技術協会の養成所に入所して講習を受け、その後は各地の孵化(ふか)場に派遣されて1~3年間の研修を行います。資格を得るには、予備考査に合格し、さらに高等鑑別師考査に合格しなければなりません。
 

ひよこ鑑定士の年収はどのくらい?

ひよこ鑑定士の年収は、経験や働き方によって変わります。熟練すれば年収500万円前後に達することもあります。国内の孵化場だけでなく、海外からの需要もあり、条件によっては年収が高水準になるケースもあります。
 
ただし、収入は処理スピードや精度によって評価されるため、実力差が収入差につながりやすいのも特徴です。また、繁忙期と閑散期があるため、毎月安定した収入を得続けられるとは限りません。
 
なお、海外勤務は収入が高くなりやすい一方、生活環境の変化や体調管理の負担が大きくなる点には注意が必要です。
 

ひよこ鑑定士の厳しさと将来性

高い収入が得られる可能性がある一方で、ひよこ鑑定士は体力的にも精神的にも厳しい仕事です。長時間作業を続けるため、集中力を維持する必要があります。
 
資格取得の難易度も高く、資格認定考査の合格率は予備考査が約39%、高等鑑別師考査が約60%とされています。また、養成期間中にかかる費用は100万円以上と、金銭的な負担も軽くはありません。
 
ただし、海外では赤外線レーザーによる鑑別技術なども開発され、将来的には需要が減少する可能性も考えられます。
 
国内では茨城県や千葉県、岡山県、広島県、宮崎県、鹿児島県などが中心で、海外ではヨーロッパ諸国やニュージーランドでも需要があります。
 
高い鑑別率を維持することによって孵化場からの信頼を得て、継続的に仕事を獲得することにつながるので、常にスキルアップを心がけることが重要です。
 

年収だけでなく、働き方を理解することが大切

ひよこ鑑定士は珍しい職業であり、収入の高さが注目されがちです。しかし実際には、長時間の作業や技能習得の難しさなど、数字だけでは見えない現実があります。
 
進路を考える際には、年収のデータに加えて「どのように働くのか」「自分の適性に合っているか」を理解することが大切です。訓練施設の情報収集や、職業体験・現場見学を通じて具体的に調べることで、ミスマッチを防ぐことができます。
 
収入面だけでなく、働き方や将来性も含めて総合的に判断することが、納得のいくキャリア選択につながるでしょう。
 

出典

独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21 ひよこ鑑定士
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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