大阪府の最低賃金が「時給1177円」に?最低賃金はいつから適用されるのでしょうか? その日以降、これを下回る時給は存在しなくなるのでしょうか?

配信日: 2025.09.30 更新日: 2025.10.21
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大阪府の最低賃金が「時給1177円」に?最低賃金はいつから適用されるのでしょうか? その日以降、これを下回る時給は存在しなくなるのでしょうか?
2025年、大阪府の最低賃金が「時給1177円」へ引き上げられることが発表されました。
 
本記事では、この新しい最低賃金がいつから適用されるのか、1177円未満の時給はどうなるのか、そして最低賃金制度の対象や注意点について解説します。
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大阪府の最低賃金「時給1177円」はいつから?

大阪府の最低賃金は、2025年10月16日から「時給1177円」に引き上げられる予定です。これは、厚生労働省が定める地域別最低賃金制度に基づいたもので、全国的に毎年見直されています。
 
2024年度の最低賃金は時給1114円です。今回の引き上げ幅は63円で、過去最大級の上げ幅とも言われています。この改定は、正社員・アルバイト・パート・派遣社員など雇用形態を問わず、すべての労働者に適用されます。
 
つまり、10月16日以降は、大阪府内では時給1177円を下回る雇用契約は基本的に認められません。
 

1177円を下回る時給はどうなる? 違反になるケースとは

最低賃金の適用開始日以降、時給が1177円を下回っている場合は「最低賃金法違反」となる可能性があります。たとえば、改定後に「時給1100円」で雇っていた場合、法律違反として労働基準監督署から是正指導を受けることがあります。
 
ただし、すべての賃金が対象になるわけではありません。最低賃金との比較対象になるのは、「基本給」と「毎月定期的に支払われる手当」です。以下のような手当は、最低賃金の対象から除外されます。


・通勤手当
・家族手当
・精皆勤手当
・賞与(ボーナス)
・残業代や深夜手当、休日出勤手当

そのため、「基本給+手当」の合計が1177円を超えていても、対象外の手当を除くと下回るケースもあります。事業者側も、注意が必要です。
 
なお、残業代や深夜手当、休日出勤手当などの割増賃金は、最低賃金の「比較対象」には含まれませんが、割り増しを計算する元になる「基本の賃金」が最低賃金を下回っている場合は違法です。
 
たとえば、深夜手当は通常の時給に25%を上乗せするルールがあります。深夜時給1400円だった場合、基本時給が1120円となります。2024年度の最低賃金には達していますが、2025年度の最低賃金適用後は下回るため、最低賃金法に違反することになります。
 

最低賃金が適用される人と例外ケース

最低賃金は、基本的に年齢、性別、雇用形態を問わず、すべての労働者に適用されます。「働いている地域」の最低賃金が基準となるため、勤務地が大阪府なら1177円が適用されます。
 
一方で、例外的に減額特例許可を受けた労働者は、最低賃金未満の時給が認められることもあります。これは、障害などで著しく労働能力が低いと認められた場合に、労働局に申請・許可を受ける必要があります。
 
ただし、このような例外はあくまでも特別なケースです。通常の雇用関係では、最低賃金以上の時給が必要だと理解しておきましょう。
 

まとめ:最低賃金改定に向けて準備すべきこと

大阪府の最低賃金は、2025年10月16日から時給1177円に引き上げられる予定です。適用後、大阪府では1177円未満の時給は基本的に認められず、違反とみなされます。
 
労働者は、自分の時給や給与明細を確認し、不明点があれば事業者に確認しましょう。事業者側も、すべての雇用契約を見直し、月給・日給でも時間単価で最低賃金を下回らないように注意が必要です。
 
最低賃金の引き上げは、労働者の生活を守るための大切な制度です。正しく理解し、早めの準備を進めることで、トラブルを防ぎ、安心して働ける環境をつくれます。
 

出典

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
厚生労働省 最低賃金の対象となる賃金
厚生労働省 割増賃金の基礎となる賃金とは?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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