都内で世帯年収1500万円あっても「裕福な暮らし」ができないのですが、うちだけですか…? 地方に住み替えればぜいたくできるでしょうか?

配信日: 2025.10.05 更新日: 2025.10.21
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都内で世帯年収1500万円あっても「裕福な暮らし」ができないのですが、うちだけですか…? 地方に住み替えればぜいたくできるでしょうか?
同じ収入でも、居住地域によって生活レベルが異なることがあります。今回のケースでは、世帯年収1500万円にもかかわらず都内では「裕福な暮らし」ができず、地方への住み替えを検討しているようです。
 
本記事では、居住地域別の消費支出額や暮らしについて解説します。
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居住地域別の平均消費支出額

総務省統計局の「家計調査 家計収支編(2024年)」を参考に、単身世帯と2人以上世帯における平均消費支出額を都市階級別に表1にまとめました。
 
表1

単身世帯 2人以上世帯
大都市 18万183円 31万9337円
中都市 16万5253円 30万4632円
小都市・町村 15万6907円 28万2105円

出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編(2024年)」を基に筆者作成
 
当調査における「大都市」とは政令指定都市と東京都区部のことです。「中都市」とは大都市を除く、人口が15万人以上の市のことを指します。「小都市・町村」とは「小都市A」「小都市B」「町村」を合わせたものです。なお、「小都市A」とは人口が5万人以上15万人未満の市のことで、「小都市B」は人口5万人未満の市のことです。
 
表1から、単身世帯と2人以上世帯のどちらも大都市から小都市・町村にかけての平均消費支出額が低くなっていることが分かります。
 
実際の支出額は生活スタイルや自身を取り巻く環境などによって人それぞれですが、同じ収入額で平均消費支出額が生活に必要な支出額であると仮定すると、平均消費支出額が低い地域で生活するほうが生活に余裕が生まれやすいといえるでしょう。
 
価値観は人によって異なりますが、平均消費支出額が高い地域では難しかった「裕福な暮らし」は、平均消費支出額が低い地域では実現可能になるかもしれません。
 

都心・郊外・田舎に住むメリットとデメリット

近年は在宅ワークの広がりを筆頭に、働き方が多様化しています。働き方が多様化すると、ある程度自由に居住地域を選ぶことが可能となります。居住地域として、大きく分けて都心と郊外、田舎が挙げられます。
 
都心と郊外、田舎という言葉に明確な定義はありません。一般的に、オフィス街や商業施設などが集まっている「大きな街」を都心といいます。郊外とは都心に隣接した地域のことで、都心への交通アクセスが良いベッドタウンなどが代表例です。田舎は都心や郊外から離れた、自然に囲まれた地域を指すことが多いです。
 
ここからは都心・郊外・田舎に住む場合のメリットとデメリットを解説します。
 

都心に住むメリットとデメリット

公共交通機関が充実しており、交通の利便性が高い点が都心の魅力です。日常生活の移動を公共交通機関のみで済ませられることも少なくないでしょう。
 
一般的に都心の、特にオフィス街には、郊外や田舎よりも多くの会社が集中しています。勤務先の選択肢が多い点も都心の魅力です。
 
ただし、都心は郊外や田舎と比べて土地代や物価が高い傾向にあります。生活費が高くなりがちな点は都心に住むデメリットといえます。
 

郊外に住むメリットとデメリット

都心と比較すると、郊外のほうが土地代や物価が安いことが多いです。生活費を抑えやすい点は郊外に住むメリットといえます。
 
また、都心には商業施設が多く、自然環境が少ない傾向にあります。一方、郊外にもある程度の数の商業施設がありますが、自然環境は都心よりも豊かであるケースが多く、商業施設と自然環境のバランスの良さが郊外の魅力です。
 
しかし、勤務地が都心である場合、都心に住むよりも郊外に住むほうが通勤時間が長くなります。仕事に関連する時間が長くなりがちな点は郊外に住むデメリットになるでしょう。
 

田舎に住むメリットとデメリット

田舎は都心や郊外に比べると土地代や物価が安い傾向にあります。生活費という点では、都心や郊外よりもメリットがあるでしょう。
 
また、都心や郊外と比べて自然が豊かな点も田舎に住むメリットです。
 
ただし、田舎は公共交通機関が充実していないことがあります。場合によっては、日常生活に車が必須になることもあるでしょう。交通の不便さは田舎に住むデメリットのひとつといえます。
 
さらに、都心や郊外に比べて、働く場所の選択肢が少ない点も田舎に住むデメリットかもしれません。
 

都心よりも地方のほうが平均消費支出額は低い

総務省統計局の家計調査によれば、単身世帯と2人以上世帯のどちらも、大都市よりも中都市や小都市・町村のほうが平均消費支出額が低くなっています。
 
平均消費支出額を生活に必要な支出額と仮定すると、同じ収入額であれば平均消費支出額が低い中都市や小都市・町村などのいわゆる地方のほうが都心よりも金銭的な余裕が生まれやすいでしょう。
 
価値観は人によりますが、同じ収入で地方に移住することで「裕福な暮らし」ができるようになる可能性はあります。
 

出典

e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 統計表・グラフ表示 家計調査 家計収支編 単身世帯 表番号003 用途分類(総数)
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 統計表・グラフ表示 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 表番号 001 用途分類(総数)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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