東京都の「地域別最低賃金」が10月から“1226円”に引き上げに! 正社員でも“手取り20万円以下”の私ってもしかしたら「最低賃金」と変わらない!?

配信日: 2025.10.08 更新日: 2025.10.21
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東京都の「地域別最低賃金」が10月から“1226円”に引き上げに! 正社員でも“手取り20万円以下”の私ってもしかしたら「最低賃金」と変わらない!?
最低賃金の引き上げに関するニュースは、今や多くの人から関心を集めています。「最低賃金」と聞いて、時給制のアルバイトやパートにしか関係のない話だと思う人もいるでしょう。しかし、実際は正社員として働いている人にとっても無関係な話ではありません。
 
本記事ではこれからの最低賃金や、時給の計算方法について解説します。
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東京都は令和7年10月3日、地域別最低賃金を「1226円」に引き上げ

令和7年度における最低賃金の引き上げが発表され、全国加重平均額の引き上げ幅は過去最高の66円となりました。表1は、一都三県における引き上げ後の最低賃金をまとめたものです。
 
表1

最低賃金 引き上げ日
東京都 1226円 令和7年10月3日
千葉県 1140円 令和7年10月3日
埼玉県 1141円 令和7年11月1日
神奈川県 1225円 令和7年10月4日

出典:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」を基に筆者作成
 
東京都における最低賃金は1226円となり、この金額は10月3日から適用されることが決定しています。その他の都道府県においても来年の3月までに引き上げが実施され、これまで900円台だった31県を含めたすべての地域で最低賃金が1000円を超える予定になりました。
 

“手取り20万円”を「時給換算」すると“1500円程度”の可能性

時給の計算を行うことで、実際にもらっている給料が最低賃金を上回っているか確認することができます。具体的な手取り金額から、おおよその時給額を試算してみましょう。
 
ひと月の手取りが20万円だと仮定します。手取り金額は額面の8割前後とされているため、額面は25万円前後と想定されます。なお、ここでは便宜上、最低賃金対象外となる賃金はこの中には含まれていないものとします。
 
厚生労働省によると、月給制の場合、時給は「月給÷1ヶ月平均所定労働時間」で計算できます。
 
同じく厚生労働省の「令和6年就労条件総合調査」によると、1日あたりの所定労働時間は企業平均7時間47分、1年あたりの年間休日総数は労働者1人平均116.4日です。これらのデータから、1ヶ月あたりの平均所定労働時間は以下の式で求められます。
 

・(365日-116.4日)÷12=約21日
・約21日×7.783時間=約163.44時間

 
額面を1ヶ月あたりの労働時間で割ることで、時給を求めることができます。式は以下の通りです。
 

・25万円÷約163.44時間=約1529.6円

 
表1と比べても、手取り20万円であれば、一般的には最低賃金を下回ることはないといえそうです。
 
しかし、これはあくまでも平均的な労働時間から算出した目安であるため、すべての労働者に当てはまるわけではありません。個人の時給を調べる際は、実際の労働時間や額面などに照らし合わせて計算を行うことが重要です。上記の式を参考に、具体的な数値で時給を計算してみましょう。
 

「正社員だから最低賃金は関係ない」は間違い

最低賃金は、時給制の雇用のみではなく、すべての雇用形態に適用される数字です。正社員も例外ではないため、月給から計算される時給が最低賃金を下回っている場合は、雇用主に対して罰則が科されることがあります。
 
最低賃金の対象となるのは、月給の中でも毎月支払われる基本給と一部の手当です。厚生労働省によると、最低賃金の対象外となる手当の例は以下の通りです。
 

・通勤手当
・家族手当
・時間外・休日割増賃金
・賞与(ボーナス) など

 
これらを差し引いた金額が、最低賃金に達していなければいけません。時給が最低賃金に達していない労働契約は、たとえ労働者が合意していたとしても法律に基づき無効とされ、雇用主は最低賃金法に基づいた罰金に処されることがあります。また、雇用主は労働者に対してその差額を支払わなければなりません。
 

まとめ

10月から来年の3月にかけて、全国の最低賃金が引き上げられます。最低賃金は通常、すべての雇用形態に適用される制度です。これは正社員も例外ではないため、これを機に改めて自身の時給を計算してみるとよいでしょう。
 
今回の試算によれば、平均的な労働時間かつ手取り20万円程度であれば、最低賃金を下回ることはないと考えられますが、あくまでも目安であるため、実際の労働時間や額面などに照らし合わせることが重要です。
 

出典

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
厚生労働省 最低賃金額以上かどうかを確認する方法
厚生労働省 令和6年就労条件総合調査 結果の概況 結果の概要 1 労働時間制度(1)所定労働時間(1ページ)、(3)年間休日総数(3ページ)
厚生労働省 最低賃金の対象となる賃金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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