婚活サイトで入力した「希望年収800万円」。ぜいたくでしょうか? 800万円以上の年収の人はどのくらいいる?
本記事では統計データを基に、その理想がどれほど現実的なのかを探ってみましょう。
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希望年収800万円はぜいたく? 日本には何%いるのか?
結婚相手に年収800万円を求めるのは、高望みなのでしょうか。実際に年収800万円は平均額を大きく上回り、日本の給与分布でも上位に入ります。対象者が限られるため、競争は激しい水準といえます。
国税庁長官官房企画課の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者数は約5137万人です。そのうち年収800万円超900万円以下の割合は、男女合わせて3.4%、男性の場合は5.0%、女性では1.2%にとどまります。つまり、年収800万円を希望するのは少数派を狙うことになり、マッチングの難易度は高いと考えられます。
ただし、理想を高く持つこと自体は悪いことではありません。上位層を目指しつつも、年齢、居住地、業種、働き方などの条件を柔軟にすることで、現実的な出会いの可能性は広がるでしょう。
年収800万円以上は日本に何人いる?
前述の国税庁長官官房企画課「令和6年分民間給与実態統計調査」では、給与階級別分布と該当人数、構成比が整理されています。年収800万円以上の男性および女性の人数は表1のとおりです。
表1
| 年収 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 800万円超900万円以下 | 146万7000人 | 27万4000人 |
| 900万円超1000万円以下 | 105万1000人 | 15万8000人 |
| 1000万円超1500万円以下 | 205万9000人 | 24万7000人 |
| 1500万円超2000万円以下 | 50万9000人 | 6万7000人 |
| 2000万円超2500万円以下 | 13万1000人 | 1万6000人 |
| 2500万円超 | 16万1000人 | 1万3000人 |
出典:国税庁長官官房企画課「令和6年分民間給与実態統計調査」を基に筆者作成
年収800万円超900万円以下の男性は146万7000人(5.0%)、女性は27万4000人(1.2%)、年収800万円以上の男性は537万8000人(18.3%)、女性は77万5000人(3.5%)います。数が多いように感じるかもしれませんが、高年収の人ほど年齢層が高い傾向があり、それに伴って既婚率も高いと考えられます。
年収800万円の手取りはいくらくらい?
年収800万円は額面では高水準ですが、所得税や住民税、社会保険料を差し引くと手取りは大きく減ります。例えば、東京都在住の30代独身会社員の場合、手取りはおよそ590万円前後と想定されます。
婚活や結婚後のライフプランを考える際は、可処分所得を基準に住宅費、教育費、貯蓄率を設計するのが現実的です。実際の手取り額は制度や控除などによって変動するため、相手の見込み年収を想定したら、手取りシミュレーターなどで「可処分所得」や「毎月の貯蓄可能額」を具体的に確認し、期待値と生活イメージのズレを早めに把握しておきましょう。
まとめ
希望年収800万円は、国税庁長官官房企画課の最新データでも上位に入る水準であり、婚活市場では競争が激しくなりやすい金額です。対象となる人数が限られるため、年齢や居住地など、年収以外の条件に幅を持たせる必要があるでしょう。
また、現在年収800万円を得ていても、フリーランスなどの個人事業主は将来も同水準を維持できるとは限りません。金額だけでなく、職種や安定性も考慮することが大切です。
最終的には「年収」というひとつの条件にこだわりすぎず、柔軟に条件を見直す姿勢が婚活成功につながるでしょう。
出典
国税庁長官官房企画課 令和6年分民間給与実態統計調査 II 1年を通じて勤務した給与所得者 3 給与階級別分布(22ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
